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東京Jazz2015のレジェンドと若き俊英たち


14回目を迎えた「東京Jazz(公式サイト)」ですが、今年もまたNHK-BSプレミアで10月7日・14日・21日(各水曜日午前0時15分から午前1時44分)に放送されたダイジェスト版でその様子を観ることとなりました。
この時間の放送だと当然ながら録画で適当に飛ばしての鑑賞になります。
また1グループの演奏を続けて放送せず、各放送日1曲程度のダイジェストなので、会場での鑑賞とはかなり趣きが変わります。バックステージのインタビューだけは興味深い点です。

そんな今年の東京Jazzですが、メイン会場のthe Hallには第1回から登場のハービー・ハンコックやウェイン・ショーターを始め、ジャズ界のレジェンドである多くのプレーヤーが出演していました。
彼らを年齢順に並べてみると次のようになります。

  • ウェイン・ショーター(Wayne Shorter):1933年(米国)ニュージャージー州生まれ82歳
  • ボブ・ジェームス(Robert McElhiney “Bob” James):1940年(米国)ミズリー州生まれ75歳
  • ハービー・ハンコック(Herbie Hancock):1940年米国イリノイ州シカゴ生まれ75歳
  • ジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette):1942年米国イリノイ州シカゴ生まれ73歳
  • 日野皓正(Terumasa Hino):1942年東京生まれ73歳
  • スティーヴ・ガッド(Stephen Kendall Gadd):1945年米国ニューヨーク州生まれ70歳
  • ハーヴィー・メイソン(Harvey William Mason, Sr)/フォープレイ(Fourplay):1947年米国ニュージャージー州生まれ68歳
  • ラリー・カールトン(Larry Carlton):1948年米国カリフォルニア州生まれ67歳
  • リー・リトナー(Lee Mack Ritenour):1952年米国カリフォルニア州生まれ63歳
  • 渡辺香津美(Kazumi Watanabe):1953年東京生まれ62歳

といったメンバーが60歳越えで、他にもフォープレイのチャック・ローブ(Charles Samuel “Chuck” Loeb)とネーザン・イースト(Nathan East)の二人が12月7日と8日に還暦を迎えるようです。
日本の制度に当てはめると後期高齢者でもある大御所のハービー・ハンコックとウェイン・ショーター二人の最近(2014年)の映像があります。今回の二人の来日に合わせた日本独自企画2枚組ベストアルバム「ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター | フレンドシップ~オール・タイム・ベスト」もリリースされています。

ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター(Wayne Shorter & Herbie Hancock)|Jazz in Marciac
https://www.youtube.com/watch?v=K4aazWDfu2Q (YouTube)

フレンドシップ~オール・タイム・ベスト

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これら多くのレジェンドに混じって若き俊英たちも登場しました。まずは日米ハイブリッドのジャズ・エリート・バンドのニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットNew Cetury Jazz Quintet)です。確かなジャズの伝統を備え、新世代を担う若き俊英たちです。

  • ユリシス・オーエンス・ジュニア(Ulysses Owens Jr.)/Drums:1982年(米国)フロリダ州生まれ、ジュリアード音楽院(The Juilliard School)でジャズ専攻(修士)。
  • 大林武司(Takeshi Ohbayashi)/Piano: 1987年広島市生まれ、バークリー音楽大学(Berklee College of Music)卒業。2009年の横濱ジャズプロムナード ジャズ・コンペティション(関連当ブログ記事)でベストプレーヤー賞。
  • 中村恭士(Yasushi Nakamura)/Bass:1982年東京生まれ、米国シアトル育ち。バークリー音楽大学卒業後、ジュリアード音楽院卒(Artist Diploma)。
  • ティム・グリーン(Tim Green)/Alt Sax:米国ボルティモア出身、マンハッタン音楽院(Manhattan School of Music)卒業後、南カリフォルニア大(USC)セロニアス・モンク ジャズ・インスティテュートでジャズ学の修士号取得。
  • ベニー・ベナック(Benny Benack III)/Trumpet:最年少。マンハッタン音楽院の大学院に在籍。

以上のように、学歴とその音楽が必ずしもイコールとは云えないでしょうが、錚々たるメンバーです。当ブログ記事「映画「セッション」にみる指導論」で登場したジュリアード音楽院に学んだメンバーもいます。クラシック音楽教育で名高いジュリアードですが、2001年にジャズ科も開設され、その分野でも人材を輩出しているようです。

彼らのアルバムは昨年「タイム・イズ・ナウ(Time Is Now)を、今年6月に第二弾「イン・ケイス・ユー・ミスト・アス(In Case You Missed Us)」をリリースしています。

タイム・イズ・ナウ

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イン・ケイス・ユー・ミスト・アス

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今年の日本ツアーの時の映像があります。

ニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット(New Cetury Jazz Quintet), Live in Japan 2015
https://www.youtube.com/watch?v=3BXCzEh7XnU (YouTube)

そして、こちらも現代ジャズ・シーンにおいて注目されるイスラエル出身のジャズメンの一人、エリ・デジブリEli Degibri)率いるエリ・デジブリ・カルテット featuring アヴィシャイ・コーエンAvishai Cohen) with Special Guest 山中千尋のステージもまた注目でした。
サックスのエリ・デジブリとトランペットのアヴィシャイ・コーエンは共に1978年イスラエルに生まれ、1997年、同じタイミングでバークリー音楽大学に留学しています。

【特集】 イスラエル・ジャズメンの傑作を追う (ローチケHMV)


エリ・デジブリ(Eli Degibri) | The Spider

https://www.youtube.com/watch?v=aQQRH1iZFyk&list=PL75cVS65S7rrssRWDsyf6Lkju0efvMIv8 (YouTube)

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因みに、彼らのステージにゲスト出演した山中千尋ですが、彼女もまたこの二人と同時期にバークリーで学んでいます。彼女については「東京JAZZと女性ピアニスト~ジャズ細うで繁盛記(1)」にも登場しています。
その彼女が昨年7月リリースした「山中千尋 |サムシン・ブルー(初回限定盤)(DVD付) 」には、先のニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットのベニー・ベナック(tp)と中村泰士(b)が参加しています。

山中千尋 | サムシン・ブルー
https://www.youtube.com/watch?v=G_hmmxOmmFE (YouTube)

サムシン・ブルー(初回限定盤)(DVD付)

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そして、こちらも「東京Jazz」の常連組であり、グラミー賞アーティスト(関連記事)、バークリー最年少講師のキャリアを持つ、エスペランサ・ スポルディング(Esperanza Spalding)が、彼女の新プロジェクト「エスペランサ・ スポルディング Presents Emily’s D+Evolution」として登場しました。
今回は彼女のエレクトリック・ベースとそのビジュアルが注目でした。

エスペランサ・ スポルディング(Esperanza Spalding) Presents Emily’s D+Evolution Performs “One”
https://www.youtube.com/watch?v=AkKhN590tN8 (YouTube)

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映画「セッション」にみる指導論


先日、ジャズ・サックスをずっと続けている友人から、映画「セッション」、面白そうだから行こうと誘われ、ドラミングをちょっと齧った端くれとして、この映画は是非観ておかなければと。
もちろん、「セッション」は映画としても評判の高い作品ということもありましたので。

セッションWhiplash)」は昨年(2014年)、米国で製作・公開された映画です。監督・脚本はデミアン・チャゼル(Damien Chazelle)、主演はマイルズ・テラー(Miles Teller)。第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、J・K・シモンズ(J.K. Simmons)が助演男優賞を受賞、その他「編集賞」、「録音賞」を受賞しました。

映画『セッション』公式サイト

舞台となった音楽大学のモデルは、残念ながら、「バークリー」ではなく、「ジュリアード音楽院The Juilliard School)」のようですが・・・

映画の原題で、劇中で何度も演奏される「ウィップラッシュWhiplash)」は1973年にハンク・レヴィが作曲した曲です。
目まぐるしくリズムが変わる激しいジャズナンバーで、ダイナミックなアンサンブルが乗りの良さを味あわせてくれる1曲です。

ハンク・レヴィ(Hank Levy)|ウィップラッシュ(Whiplash)
https://www.youtube.com/watch?v=HJrTYOyXHA0 (YouTube)

ハンク・レヴィは「変拍子の神様」と言われたトランペッター「ドン・エリス(Don Ellis:フレンチ・コネクションの音楽を担当)」のビッグバンドのコンポーザーとして数多くの作品を残しています。「ウィップラッシュ」もその中の一曲です。曲の中で目まぐるしくリズムの変わる曲作りを好むことで有名でした。

ドン・エリス(Don Ellis)|ウィップラッシュ(Whiplash)
https://www.youtube.com/watch?v=pCykgzrwIw0 (YouTube)

Soaring

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「ウリップ」は「ムチ」で、「ラッシュ」は激しく叩く、という意味です。
「バディ・リッチ」を目指す、ジャズドラマー志望の男子学生が、有名な音楽院に入学して、そこで有名な先生に出会い、その先生のやっているビッグバンドのドラムを担当させてもらうのですが、そこで、まさに「ウィップラッシュ」「鞭打ち」にも似た厳しい指導にあいます。ストーリーは2転3転していきますが・・・
(ネタばれでは無いのでストーリーは映画を観てのお楽しみということで)

映画の中で、先生が何故、生徒にとても厳しくするのかを語るシーンがあります。
その中で、「チャーリー・パーカー」という有名なジャズミュージシャンが、17歳の時、「リノ・クラブ」というところで「カウント・ベイシー・オーケストラ」のジャムセッションに参加していた時、「I Got Rhythm」を演奏中、ハイになりすぎて演奏をロストして、ドラマーの「ジョー・ジョーンズ」にシンバルを投げつけられ、演奏中止になる屈辱を受けた・・・。だけど、「チャーリー・パーカー」はこの屈辱に反発し、更にサックスの猛特訓をして、一層演奏に磨きをかけ、「バード」と言われる天才ジャズマン、サックスのモダンジャズの先駆者になったんだと話します。
その時、シンバルを投げつけられなければ、チャーリー・パーカーは「バード」にはなれなかったんだ!と。
だから先生は並みのジャズメンを育てるのでは無く、真の天才ジャズメンを創る出すために、身を削って教えてきたんだ・・・と。

チャーリー・パーカー(Charlie Parker)|アイ・ゴット・リズム(I’ve Got Rhythm)
https://www.youtube.com/watch?v=3fgxyyrqZ-I (YouTube)

After You’ve Gone

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そして、主人公が先生に奈落の底に突き落とされる、その後、凛として先生に立ち向かい、バディ・リッチをも凌ぐ、一流ジャズ・ドラマーとして羽ばたいていくということを想像させる一曲が、キャラバン(Caravan)です。

バディ・リッチ(Buddy Rich)|キャラバン(Caravan)
https://www.youtube.com/watch?v=Eq1z0nOPSbs (YouTube)

Blues Caravan (Dig)

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この映画は、ジャズ、ドラミングの音楽映画ではありますが、所謂、「根性もの」の映画で、「先生」と「生徒」の、漫画「明日のジョー」を彷彿とさせる、殴り合い(精神的)の映画だと思いました。そして、何事にもくじけずに、「何くそ」の精神で突き進んで行く事で本物になっていくのだ!という。

JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(1)


江戸時代の俳諧師で俳聖と云われた松尾芭蕉が、「奥の細道」の旅の中で見出した蕉風俳諧の理念の一つに「不易流行」という言葉があります。その意味するところは次のような内容です。

ふえき-りゅうこう【不易流行】
いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。蕉風俳諧の理念の一つ。解釈には諸説ある。
「不易」はいつまでも変わらないこと。「流行」は時代々々に応じて変化すること。

出典:新明解四字熟語辞典

『奥の細道』を旅する

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先月2月24日発表のアカデミー賞(Academy Awards)(当ブログ記事はこちら)でアメリカにおける大きな賞レースは一段落しました。その2週間前のグラミー賞(Grammy Awards)は音楽賞として最も権威があると云われています。その主要部門の結果は当ブログの<音楽ニュース>で紹介しました。
グラミー賞の名称は蓄音機のgramophoneに由来するように、幅広い音楽のジャンルとその業界に関係する多くの才能を対象としています。
今年の第55回グラミー賞の候補としてノミネートされた個人は740名程に上り、最終的には30分野81のカテゴリーにおいてウィナーが誕生しました。表彰を受けた人数は複数カテゴリーの受賞者もあり140名強になります。
詳細については公式ページを御覧ください。

そのグラミー賞で、ジャズ分野の中に「不易流行」を感じさせるウィナー達を見付けました。
まず1番目はゲイリー・バートン(Gary Burton、1943年 -、インディアナ州出身)とチック・コリア(Chick Corea、1941年 -、マサチューセッツ州出身 )です。
彼らの共作になるアルバム「Chick Corea & Gary Burton|Hot House」が受賞しています。

31. Best Improvised Jazz Solo
WINNER:Hot House
Gary Burton & Chick Corea,soloists
Track from: Hot House
Label: Concord Jazz

Hot House

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尚、チック・コリアはこのアルバム収録の「Mozart Goes Dancing」の作曲で、「59.Instrumental Composition」カテゴリーでも同時受賞しています。
1972年に始まったヴィブラフォン(Vibraphone)とピアノ(Piano)による珠玉のアコースティック・デュオが、40年後のニューアルバムについて語る公式映像があります。
Chick Corea & Gary Burton|Hot House (April 2012)

このアルバムではビートルズの名曲「エリナ・リグビー(Eleanor Rigby)」を二人のデュオで聴くことができます。

チック・コリアはHiroさんの「Ever Green」な曲で紹介されているように、ベーシストのスタンリー・クラーク(Stanley Clarke、1951年 -、ペンシルバニア州出身)と結成した「リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)」のプロジェクトが余りにも有名です。
カモメのジャケットで知られ、ジャズ・フュージョン最大級のヒットアルバム「Return to Forever」ですが、これに収録されている「Crystal Silence」は、ほぼ同時期にゲイリー・バートンとのデュオでも録音されています。

リターン・トゥ・フォーエヴァー

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一方がエレクトリック・ピアノを主体としているのに対し、もう一方はアコースティック・ピアノを駆使しています。その1972年に録音されたアルバムのCD盤は「Chick Corea and Gary Burton|Crystal Silence」があります。

Crystal Silence

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二人のコンサートでは良く演奏されているようで最近の映像があります。バートン・グリップと呼ばれるマレット(バチ)捌きも確かめて下さい。
Chick Corea and Gary Burton|Crystal Silence
http://www.youtube.com/watch?v=VnlAPR_ixo4 (YouTube)

チック・コリアはマサチューセッツ州の出身ながらボストンの大学ではなく、ニューヨークにある音楽の名門ジュリアード音楽院(当時、The Juilliard School of Music)に学んでいます。
当ブログにも何度か登場しているジャズピアニストの上原ひろみですが、16歳の時チック・コリアと出会い共演まで果たしています。
その後バークリー卒業とメジャーデビューを経て、2008年には二人のデュエット・アルバム「デュエット」も発表し、武道館公演も実現します。

デュエット

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CHICK COREA & HIROMI UEHARA | Concierto De Aranjuez / Spain
http://www.youtube.com/watch?v=I5G4c3J-_0U (YouTube)

その彼女が20歳の時、ヤマハの留学支援によりバークリー音楽大学に進んだ訳ですが、在学当時の副学長(Executive Vice President)はゲイリー・バートンが務めていました。

JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(2)へ続く

冬のボストン「ある愛の詩」(2)


冬のボストン「ある愛の詩」(1)の続き

前回(1)で紹介した「ジョシュア・レッドマン」は、2010年の「東京Jazz」だけでなく、2003年の「東京Jazz」にも「JOSHUA REDMAN ELASTIC BAND」で出演しています。2003年の開催は、真夏の味の素スタジアム(調布市)が舞台で、炎天下で行われました。
2010年はドラム、ベース、サックスの標準的なトリオでしたが、2003年はドラム、オルガン、サックスのオルガン・トリオの編成です。来日メンバーとドラマーが異なりますが、本来のドラムである「ブライアン・ブレイド(Brian Blade, 1970年 – )」、キーボード(オルガン)の「サム・ヤエル(Sam Yahel)」とのトリオによるライブ映像です。
Joshua Redman|Jazz Crimes (Live)
http://www.youtube.com/watch?v=1ICJUFOJa2g (YouTube)

ライブ映像の曲を含むアルバムは「Joshua Redman|Elastic」があります。

Elastic

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ジョシュア・レッドマンは西海岸のカリフォルニア州バークレイ(地名)の生まれで、父親もジャズサックス奏者でした。その彼が名門ハーバード大学を優秀な成績で卒業しながら法律家の道を選ばなかったのは、卒業後に出場したセロニアス・モンク・コンペティションでの優勝だったと言えます。

ハーバード大学出身の日本人といえば、先の「ある愛の詩」のジェニファーと同じラドクリフ大を経て、経済学部を卒業した皇太子妃雅子様がいます。
しかし、昨今の日本人留学生は大学院を別にすると極めて少ないようで、2010年度の統計だと在籍者6人との情報があります。

その難関のハーバード大学を2011年に卒業した、日本人の音楽家がいます。物理学科を卒業したヴァイオリニスト「五嶋龍(ごとう りゅう、1988年 – )」です。ニューヨーク生まれの米国籍だと思います。

有名なヴァイオリンの名曲「サラサーテ|ツィゴイネルワイゼン」の映像があります。高校を既に卒業し、ハーバード大学に合格していた時期のツアー中の演奏だと思われます。

Ryu Goto|Zigeunerweisen op.20
http://www.youtube.com/watch?v=iGdQsWL9QcY (YouTube)

先日、ゴールドディスク大賞「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、東京藝大中退で「情熱大陸」のテーマ曲で知られる、怪しげな某ヴァイオリン弾きと、YouTubeで聞き比べるのも面白いです。

私事になりまりますが、「サラサーテ|ツィゴイネルワイゼン」は中学生の時初めて買ったクラシックのレコード(45回転のドーナツ盤)でした。

大学を卒業し本格的な演奏活動を開始した、五嶋龍の最新アルバム「五嶋龍|リサイタル」(2012年)があります。昨年の3月にNYカーネギーホールで好評を博した初演の内容をスタジオ録音したものです。

リサイタル

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先程のジョシュア・レッドマンとジャンルは違いますが、二人に共通して感じることは「何故か模範演奏を聴いているようで、面白みに欠ける気がする」と思うのは偏見でしょうか?

その姉(異父姉)はヴァイオリニスト「五嶋みどり(1971年 – )」です。有名な「タングルウッドの奇跡」と呼ばれた14歳の時の映像があります。

五嶋みどり|タングルウッドの奇跡
http://www.youtube.com/watch?v=04pXykKsO_k (YouTube)

タングルウッドの奇跡は、アメリカの教科書にも載った逸話です。
マサチューセッツ州タングルウッドで毎年夏に開かれる、ボストン交響楽団主催の「タングルウッド音楽祭」での出来事です。彼女は演奏中にヴァイオリンのE弦を2回切ります。その度、楽団員のヴァイオリンを借りて、見事に演奏を完遂しました。
彼女のヴァイオリンは3/4サイズですが、楽団員から借りたヴァイオリンは何れも1周り大きい4/4サイズと異なるサイズだったそうです。
演奏完了後、指揮者のレナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein, 1918年 – 1990年)に抱きしめられる様子は、何とも微笑ましいものがあります。

その二人を英才教育で育てたのが、母親の「五嶋節(ごとう せつ、1949年 – )」です。彼女の著書に、「天才の育て方 (講談社現代新書)」があります。
これから「天才」を育てたい方は、読まれたらいかがでしょうか?

「天才」の育て方 (講談社現代新書)

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「天才」と「神童」の二人共ジュリアード音楽院プレスクールでヴァイオリンの英才教育を受けていますが、大学は音楽以外の分野を自らの意志で選んでいます。姉のみどりはニュヨーク大学で心理学を学び、更に大学院も修了しています。

最後に一つだけ謎があります。三人共通の「五嶋」という姓ですが、元々は姉のみどりの父親の姓です。節は娘のみどりを連れてニューヨークに渡った後で離婚しています。「五嶋」は再婚相手である龍の父親の姓でも、節の旧姓でもありません。