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ワウ・ギターの名手「チャールズ・”スキップ”・ピッツ」 映画「約束の地 メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」より


前にも紹介しましたが、セッション・ギタリスト好きもあり、ライブ映画はもちろんですが、裏方などを描いた音楽ドキュメンタリー映画を好んで見ています。

今までに見たのがこちらです。

そして今回見たのがこちらです。

約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~

テネシー州は、州都「ナッシュビル」とともに「メンフィス」が音楽の地として知られています。
この映画では、「ブッカー・T・ジョーンズ(Booker T. Jones)」、「オーティス・クレイ(Otis Clay)」、「ボビー・ブルー・ブランド(Bobby “Blue” Bland)」をはじめとする メンフィスの 伝説的なアーティスト、ミュージシャンの紹介とともに、彼らと地元出身の若手との共演で、この地の音楽を再び世界に送り出すためのアルバム制作の過程が描かれています。

また、 アーティスト、ミュージシャン 以外にも、メンフィスを代表するレコード・レーベル、「スタックス・レコード (Stax Records)」についても描かれています。
スタジオの跡地は今はミュージアムと音楽学校(スタックス・ミュージック・アカデミー)となっています。

この映画はアメリカでは2014年の公開ですが、日本は2017年に公開されました。

約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~ 予告編

出演者など、より詳しくは公式サイトをご覧ください。

約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~ 公式サイト
http://www.curiouscope.jp/Memphissoul/session.html

映画では9つのセッションに分けて楽曲の制作が描かれています。
なかでも私が好きなのは、「ビル・ウィザース(Bill Withers)」が1971年に発表した「Ain’t No Sunshine(邦題:消えゆく太陽)」で、この曲は「マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)」をはじめ、多くのアーティストにカバーされています。

この曲を、やはりカバーしたボビー・”ブルー”・ブランドがラッパーの「ヨー・ガッティ(Yo Gotti)」と共演しています。

共演をお聴かせできないのが残念ですが、ボビー・”ブルー”・ブランドのカバーです。

ボビー・ブルー・ブランド(Bobby “Blue” Bland) | 消えゆく太陽(Ain’t No Sunshine)
https://www.youtube.com/watch?v=OjWQGi2_Jzw (YouTube)

車椅子で登場するボビー・”ブルー”・ブランドは、惜しくも2013年と映画の公開前に亡くなっています。

なお、映画では制作過程として曲を聴く事が出来ますが、フルでは聴けず、また、曲の合間に会話が入ったりします。

フルで聴きたい場合は、映画で未収録のセッションを加えた、全12曲収録のオリジナル・サウンド・オラックCDがリリースされています。

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さて、タイトルのワウ・ギターですが、この映画でもキーマンとして登場するのがギタリストの「チャールズ・”スキップ”・ピッツ(Charles “Skip” Pitts)」です。

1947年、ワシントンDC生まれで、叔父が有名なシアター、「ハワード・シアター」の隣でホテルを経営していたことから、ここに出演の「ジェームス・ブラウン(James Brown)」、「オーティス・レディング(Otis Redding)」をはじめ多くのR&Bアーティストらと知り合い、音楽業界へと進みます。

同地で活動を開始し、「ウィルソン・ピケット(Wilson Pickett)」、「アイズレー・ブラザーズ( Isley Brothers)」などとプレイし、一時期はアイズレーのバックバンドに参加、この映画でも語られている1969年に大ヒットとなった「イッツ・ユア・シング」のギター・リフが知られています。

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その後、ファンク・バンドでウィルソンピケットのバック・バンドとして活動する「ミッドナイト・ムーバーズ(Midnight Movers)」のギタリストおよびバンドリーダーとなります。

ドイツのテレビ・ショーで「サム&デイブ(Sam & Dave)」の「ソウル・マン(Soul Man)」を演奏しています。
チャールズ・”スキップ”・ピッツが20歳の映像です。

ミッドナイト・ムーバーズ(Midnight Movers) | ソウル・マン(Soul Man)
https://www.youtube.com/watch?v=UBh_tOJdFOQ (YouTube)

そして、1970年に「アイザック・ヘイズ(Isaac Hayes)」の誘いにより、メンフィスを活動の場とするため移住します。

メンフィスではアイザック・ヘイズのバンド・メンバーとして多くのレコーディングに参加します。

映画でチャールズ・”スキップ”・ピッツが、

「アイザックが新しいバンドを始めて仕事をいっぱいくれたんだ。」
「1981年にヤツが破産するまで一緒にやった。」
「アイザックが外国へ飛んでー。」
「1994年に帰って仕事を再開し、また呼ばれ。」
「あの日、俺はランチの約束に遅れて、ヤツは俺の到着前に亡くなった。」
「ヤツがに死ぬまで一緒にやった。」

と、語っています。

アイザック・ヘイズは2008年に自宅のベッドルームで倒れ病院へ緊急搬送されましたが、亡くなってしまいました。
死因は脳梗塞でした。65歳でした。

このアイザック・ヘイズとの仕事で誕生したのが、ワウ・ギターの名演と言われる、映画「黒いジャガー(原題: Shaft)」のテーマ曲、「黒いジャガーのテーマ(Theme from Shaft)」です。

アイザック・ヘイズのライブ映像ですが、チャールズ・”スキップ”・ピッツが主役のように弾きまくっています。

アイザック・ヘイズ(Isaac Hayes) | 黒いジャガーのテーマ(Theme from Shaft) Live 2002
https://www.youtube.com/watch?v=oDOH3ViMmCM (YouTube)

この映画「黒いジャガー」のサウンドトラック・アルバムは全米1位を獲得し、グラミー賞などを獲得、そして、この「黒いジャガーのテーマ」も全米1位を獲得し、アカデミー歌曲賞やグラミー賞のインストゥルメンタル・アレンジ部門を受賞しています。

この映画でもスタックス・ミュージアムに展示されているトロフィーを背景に、スタックス・ミュージアム館長の「ディーニー・パーカー(Deanie Parker)」が、

「アイザックのオスカー像があるわ。」
「アフリカ系で、アカデミー賞を受賞したのはアイザックが初だったはず。」
「オスカー像がメンフィスに来るなんて。」

と、言っています。

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また、この曲についてチャールズ・”スキップ”・ピッツが語っています(背景が「cry baby(ワウ・ペダルの商品名)」です)。

Charles “Skip” Pitts: The Creation Of SHAFT
https://www.youtube.com/watch?v=w-ytse0J0u8 (YouTube)

それまでもワウ・ペダルによるギター・ソロなどはロックなどで耳にしていたのですが、この曲を聴いた時のカッティングのカッコ良さは衝撃でした。

私もこの曲に影響されたのか、家にもワウ・ペダルが何故か2個あります。
このように弾けなかったからか使わないまま放置され、今ではボリュームもガリって使えないだろうなと、それすら確認していない状況です。

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また、この曲については、1972年にロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで、スタックスに所属アーティストが出演し行われたコンサート、「ワッツタックス(Wattstax)」でもトリを務め、映画でもコンサートでのこの曲を流し、「アイザック・ヘイズがワウ・ギターのスキップ・ピッツにひれ伏す(Isaac Hayes Bows To Skip Pits On The Wah-Wah)」と紹介しています。

当時、高価でしたがVHSで購入し見ていたのですが、最近安価でDVDがリリースされているのを知り購入しましたが、当時を思い出しました。

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この曲以外にも、 先に、1994年に帰って仕事を再開しと書きましたが、1995年にリリースしたアルバム「ブランデッド(Branded)」 で、1曲目の「アイクズ・プリー(Ike’s Plea)」、2曲目「ライフズ・ムード(Life’s Mood)、そして3曲目の「スティング(Sting)」の名曲「フラジャイル(Fragile)」までの流れで弾かれるワウ・ギターがカッコよいです。
もちろんギターはチャールズ・”スキップ”・ピッツです (クレジットにはもう1名) 。

アイザック・ヘイズ(Isaac Hayes) | Ike’s Plea~Life’s Mood~Fragile
https://www.youtube.com/watch?v=nE28VJpDkgU (YouTube)

ブランデッド

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他にも多くの曲で弾いていますが、私はワウ・ギターではこの2曲が気に入っています。

残念ながら、チャールズ・”スキップ”・ピッツは2012年5月1日にメンフィスの病院で亡くなっています。アイザック・ヘイズと同じ65歳でした。
映画の公開が2014年ですのでボビー・”ブルー”・ブランドと同様、この映画の公開前に亡くなっています。