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冬のボストン「ある愛の詩」(2)


冬のボストン「ある愛の詩」(1)の続き

前回(1)で紹介した「ジョシュア・レッドマン」は、2010年の「東京Jazz」だけでなく、2003年の「東京Jazz」にも「JOSHUA REDMAN ELASTIC BAND」で出演しています。2003年の開催は、真夏の味の素スタジアム(調布市)が舞台で、炎天下で行われました。
2010年はドラム、ベース、サックスの標準的なトリオでしたが、2003年はドラム、オルガン、サックスのオルガン・トリオの編成です。来日メンバーとドラマーが異なりますが、本来のドラムである「ブライアン・ブレイド(Brian Blade, 1970年 – )」、キーボード(オルガン)の「サム・ヤエル(Sam Yahel)」とのトリオによるライブ映像です。
Joshua Redman|Jazz Crimes (Live)
http://www.youtube.com/watch?v=1ICJUFOJa2g (YouTube)

ライブ映像の曲を含むアルバムは「Joshua Redman|Elastic」があります。

Elastic

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ジョシュア・レッドマンは西海岸のカリフォルニア州バークレイ(地名)の生まれで、父親もジャズサックス奏者でした。その彼が名門ハーバード大学を優秀な成績で卒業しながら法律家の道を選ばなかったのは、卒業後に出場したセロニアス・モンク・コンペティションでの優勝だったと言えます。

ハーバード大学出身の日本人といえば、先の「ある愛の詩」のジェニファーと同じラドクリフ大を経て、経済学部を卒業した皇太子妃雅子様がいます。
しかし、昨今の日本人留学生は大学院を別にすると極めて少ないようで、2010年度の統計だと在籍者6人との情報があります。

その難関のハーバード大学を2011年に卒業した、日本人の音楽家がいます。物理学科を卒業したヴァイオリニスト「五嶋龍(ごとう りゅう、1988年 – )」です。ニューヨーク生まれの米国籍だと思います。

有名なヴァイオリンの名曲「サラサーテ|ツィゴイネルワイゼン」の映像があります。高校を既に卒業し、ハーバード大学に合格していた時期のツアー中の演奏だと思われます。

Ryu Goto|Zigeunerweisen op.20
http://www.youtube.com/watch?v=iGdQsWL9QcY (YouTube)

先日、ゴールドディスク大賞「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、東京藝大中退で「情熱大陸」のテーマ曲で知られる、怪しげな某ヴァイオリン弾きと、YouTubeで聞き比べるのも面白いです。

私事になりまりますが、「サラサーテ|ツィゴイネルワイゼン」は中学生の時初めて買ったクラシックのレコード(45回転のドーナツ盤)でした。

大学を卒業し本格的な演奏活動を開始した、五嶋龍の最新アルバム「五嶋龍|リサイタル」(2012年)があります。昨年の3月にNYカーネギーホールで好評を博した初演の内容をスタジオ録音したものです。

リサイタル

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先程のジョシュア・レッドマンとジャンルは違いますが、二人に共通して感じることは「何故か模範演奏を聴いているようで、面白みに欠ける気がする」と思うのは偏見でしょうか?

その姉(異父姉)はヴァイオリニスト「五嶋みどり(1971年 – )」です。有名な「タングルウッドの奇跡」と呼ばれた14歳の時の映像があります。

五嶋みどり|タングルウッドの奇跡
http://www.youtube.com/watch?v=04pXykKsO_k (YouTube)

タングルウッドの奇跡は、アメリカの教科書にも載った逸話です。
マサチューセッツ州タングルウッドで毎年夏に開かれる、ボストン交響楽団主催の「タングルウッド音楽祭」での出来事です。彼女は演奏中にヴァイオリンのE弦を2回切ります。その度、楽団員のヴァイオリンを借りて、見事に演奏を完遂しました。
彼女のヴァイオリンは3/4サイズですが、楽団員から借りたヴァイオリンは何れも1周り大きい4/4サイズと異なるサイズだったそうです。
演奏完了後、指揮者のレナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein, 1918年 – 1990年)に抱きしめられる様子は、何とも微笑ましいものがあります。

その二人を英才教育で育てたのが、母親の「五嶋節(ごとう せつ、1949年 – )」です。彼女の著書に、「天才の育て方 (講談社現代新書)」があります。
これから「天才」を育てたい方は、読まれたらいかがでしょうか?

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「天才」と「神童」の二人共ジュリアード音楽院プレスクールでヴァイオリンの英才教育を受けていますが、大学は音楽以外の分野を自らの意志で選んでいます。姉のみどりはニュヨーク大学で心理学を学び、更に大学院も修了しています。

最後に一つだけ謎があります。三人共通の「五嶋」という姓ですが、元々は姉のみどりの父親の姓です。節は娘のみどりを連れてニューヨークに渡った後で離婚しています。「五嶋」は再婚相手である龍の父親の姓でも、節の旧姓でもありません。

冬のボストン「ある愛の詩」(1)


クリスマス寒波に新春寒波。寒波が次々に訪れて、今年の冬は例年に無く寒い日が続いています。さらに昨日は、都心でも雪が降り、こんな外出が億劫になる寒い時期の休日には、古い映画を鑑賞しては如何でしょうか?
私のお薦めは、映画「ある愛の詩(Love Story)」です。
この映画は、1970年に公開された、冬のボストンが舞台の恋愛映画です。

マサチューセッツ州の州都「ボストン」は北緯42度に位置し、日本で云えば札幌とほぼ同じ緯度です。
日本と同様に四季はありますが、寒い冬の期間がとても長いようです。

ボストン市は人口約60万人の都市ですが、ケンブリッジ市など周辺地域を含む都市圏の人口は約400万人で、アメリカ7番目の都市です。ボストン市は歴史にもゆかりが深い街で、京都市と姉妹都市です。

ボストンは、イギリスから渡ってきた人達によって創られた街なので、ヨーロッパ風の古い街並みが残っているのが特徴です。そこには周辺地域も併せて約60もの大学があり、世界でも有数の研究学園都市といえます。
厳密にはボストン市ではありませんが、チャールズ川を挟んで対岸にあるケンブリッジ市には、有名なハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)がありでます。

「ある愛の詩」は、そのハーバード大学の学生で裕福な家柄に育ったオリバーと、イタリア移民の貧しい家庭に育ちながらラドクリフ大学に通う女子大生のジェニファーの愛の物語です。
二人は大学の図書館で知り合い恋に落ち、オリバーの父の反対を押し切り結婚し、困難な状況をお互いの協力で乗り越えて行きます。
ハーバードのロースクール(法律学校)を優秀な成績で卒業し、弁護士となったオリバーを待っていたのは、「ジェニファーは白血病で残り少ない命である」との宣告でした。
和解したオリバーの父親による高額の医療費の支援も虚しく、ジェニファーは24歳の短い生涯を閉じます。
その父親との会話の中でも、「愛とは決して後悔しないこと」(Love means never having to say you’re sorry)という、生前ジェニファーがオリバーに残した言葉が印象的に語られます。

そして、この映画の音楽は「フランシス・レイ(Francis Lai、1932年 – )」の作曲で、この年のアカデミー作曲賞を受賞しています。

フランシス・レイ(Francis Lai)|ある愛の詩(Love Story)
http://www.youtube.com/watch?v=l1DoQhO6gt8 (YouTube)

「フランシス・レイ|白い恋人たち~フランシス・レイ作品集~」にフランシス・レイ・オーケストラによる、彼の代表的な映画音楽と共に新録音で収められています。

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また、「アンディ・ウィリアムス(Howard Andrew “Andy” Williams、1927年 – 2012年)」が歌った主題歌も大ヒットしました。日本では「越路吹雪(1924年-1980年)」のカバーもヒットしました。アンディ・ウィリアムスは、昨年9月に癌で亡くなりました。

アンディ・ウィリアムス(Andy Williams)|(Where Do I Begin?) Love Story
http://www.youtube.com/watch?v=ad9SV2rb4Ns (YouTube)

ハーバード大学の風景を紹介します。
次の写真は、オリバーとジェニファーの二人の思い出の場所であるハーバード大学の構内の「ハーバード・ヤード(Harvard Yard)」と、そこにある大学名の由来でもある最初の大口寄付者「ジョン・ハーバード」の像です。当時の雰囲気がでるように多少加工しました。

Harvard_Yard John_Harvard

尚、ジェニファーの学んだラドクリフ大学は、現在ではハーバード大学に統合されています。

余談ですが、映画でオリバー役を演じた俳優のライアン・オニール(Ryan O’Neal、1941年 ‐)は、数々の浮名を流し、その後、二人の女優と結婚と離婚を繰り返しました。また、同棲した3人目の女優との間に俳優の息子がいます。
最初の妻との間の娘「テータム・オニール(Tatum Beatrice O’Neal, 1963年 – )」も有名な女優です。
そのライアンですが、還暦を迎えた頃に慢性白血病に冒されました。闘病の末に俳優としての活動を続けているようです。
相手のジェニファー役の「アリ・マッグロー(Ali MacGraw 1939年 – )」も3人の男性と結婚と離婚を繰り返しました。彼女の3人目の夫は映画「ゲッタウェイ(The GetaWay,1972年)」で共演した、俳優の「スティーブ・マックイーン (Steve McQueen, 1930年 – 1980年)」です。彼らの結婚生活も長く続かず、5年で離婚しています。

因みに、フジテレビで放送された映画「ある愛の詩」のオリバーとジェニファーの吹き替えは、結婚前の三浦友和と山口百恵が務めました。この二人だけ離婚歴がありません。

日本語吹き替え版ではありませんが、「ある愛の詩」のDVDがあります。
是非、ご覧になってください。

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その名門ハーバード大学出身のジャズ・ミュージシャンがいます。しかも「ある愛の詩」のオリバーと同じロースクールを首席で卒業したにも拘わらず、彼は法律家の道を歩みませんでした。
サックス奏者の「ジョシュア・レッドマン(Joshua Redman, 1969年- )」です。
2010年の東京Jazzにおける彼のトリオの演奏を御覧ください。

Joshure Redman|Mack The Knife
http://www.youtube.com/watch?v=YeQpubiIMec (YouTube)

冬のボストン「ある愛の詩」(2)に続く