14回目を迎えた「東京Jazz(公式サイト)」ですが、今年もまたNHK-BSプレミアで10月7日・14日・21日(各水曜日午前0時15分から午前1時44分)に放送されたダイジェスト版でその様子を観ることとなりました。
この時間の放送だと当然ながら録画で適当に飛ばしての鑑賞になります。
また1グループの演奏を続けて放送せず、各放送日1曲程度のダイジェストなので、会場での鑑賞とはかなり趣きが変わります。バックステージのインタビューだけは興味深い点です。
そんな今年の東京Jazzですが、メイン会場のthe Hallには第1回から登場のハービー・ハンコックやウェイン・ショーターを始め、ジャズ界のレジェンドである多くのプレーヤーが出演していました。
彼らを年齢順に並べてみると次のようになります。
- ウェイン・ショーター(Wayne Shorter):1933年(米国)ニュージャージー州生まれ82歳
- ボブ・ジェームス(Robert McElhiney “Bob” James):1940年(米国)ミズリー州生まれ75歳
- ハービー・ハンコック(Herbie Hancock):1940年米国イリノイ州シカゴ生まれ75歳
- ジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette):1942年米国イリノイ州シカゴ生まれ73歳
- 日野皓正(Terumasa Hino):1942年東京生まれ73歳
- スティーヴ・ガッド(Stephen Kendall Gadd):1945年米国ニューヨーク州生まれ70歳
- ハーヴィー・メイソン(Harvey William Mason, Sr)/フォープレイ(Fourplay):1947年米国ニュージャージー州生まれ68歳
- ラリー・カールトン(Larry Carlton):1948年米国カリフォルニア州生まれ67歳
- リー・リトナー(Lee Mack Ritenour):1952年米国カリフォルニア州生まれ63歳
- 渡辺香津美(Kazumi Watanabe):1953年東京生まれ62歳
といったメンバーが60歳越えで、他にもフォープレイのチャック・ローブ(Charles Samuel “Chuck” Loeb)とネーザン・イースト(Nathan East)の二人が12月7日と8日に還暦を迎えるようです。
日本の制度に当てはめると後期高齢者でもある大御所のハービー・ハンコックとウェイン・ショーター二人の最近(2014年)の映像があります。今回の二人の来日に合わせた日本独自企画2枚組ベストアルバム「ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター | フレンドシップ~オール・タイム・ベスト」もリリースされています。
ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター(Wayne Shorter & Herbie Hancock)|Jazz in Marciac
https://www.youtube.com/watch?v=K4aazWDfu2Q (YouTube)
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これら多くのレジェンドに混じって若き俊英たちも登場しました。まずは日米ハイブリッドのジャズ・エリート・バンドのニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット(New Cetury Jazz Quintet)です。確かなジャズの伝統を備え、新世代を担う若き俊英たちです。
- ユリシス・オーエンス・ジュニア(Ulysses Owens Jr.)/Drums:1982年(米国)フロリダ州生まれ、ジュリアード音楽院(The Juilliard School)でジャズ専攻(修士)。
- 大林武司(Takeshi Ohbayashi)/Piano: 1987年広島市生まれ、バークリー音楽大学(Berklee College of Music)卒業。2009年の横濱ジャズプロムナード ジャズ・コンペティション(関連当ブログ記事)でベストプレーヤー賞。
- 中村恭士(Yasushi Nakamura)/Bass:1982年東京生まれ、米国シアトル育ち。バークリー音楽大学卒業後、ジュリアード音楽院卒(Artist Diploma)。
- ティム・グリーン(Tim Green)/Alt Sax:米国ボルティモア出身、マンハッタン音楽院(Manhattan School of Music)卒業後、南カリフォルニア大(USC)セロニアス・モンク ジャズ・インスティテュートでジャズ学の修士号取得。
- ベニー・ベナック(Benny Benack III)/Trumpet:最年少。マンハッタン音楽院の大学院に在籍。
以上のように、学歴とその音楽が必ずしもイコールとは云えないでしょうが、錚々たるメンバーです。当ブログ記事「映画「セッション」にみる指導論」で登場したジュリアード音楽院に学んだメンバーもいます。クラシック音楽教育で名高いジュリアードですが、2001年にジャズ科も開設され、その分野でも人材を輩出しているようです。
彼らのアルバムは昨年「タイム・イズ・ナウ(Time Is Now)を、今年6月に第二弾「イン・ケイス・ユー・ミスト・アス(In Case You Missed Us)」をリリースしています。
今年の日本ツアーの時の映像があります。
ニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット(New Cetury Jazz Quintet), Live in Japan 2015
https://www.youtube.com/watch?v=3BXCzEh7XnU (YouTube)
そして、こちらも現代ジャズ・シーンにおいて注目されるイスラエル出身のジャズメンの一人、エリ・デジブリ(Eli Degibri)率いるエリ・デジブリ・カルテット featuring アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen) with Special Guest 山中千尋のステージもまた注目でした。
サックスのエリ・デジブリとトランペットのアヴィシャイ・コーエンは共に1978年イスラエルに生まれ、1997年、同じタイミングでバークリー音楽大学に留学しています。
【特集】 イスラエル・ジャズメンの傑作を追う (ローチケHMV)
エリ・デジブリ(Eli Degibri) | The Spider
https://www.youtube.com/watch?v=aQQRH1iZFyk&list=PL75cVS65S7rrssRWDsyf6Lkju0efvMIv8 (YouTube)
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因みに、彼らのステージにゲスト出演した山中千尋ですが、彼女もまたこの二人と同時期にバークリーで学んでいます。彼女については「東京JAZZと女性ピアニスト~ジャズ細うで繁盛記(1)」にも登場しています。
その彼女が昨年7月リリースした「山中千尋 |サムシン・ブルー(初回限定盤)(DVD付) 」には、先のニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットのベニー・ベナック(tp)と中村泰士(b)が参加しています。
山中千尋 | サムシン・ブルー
https://www.youtube.com/watch?v=G_hmmxOmmFE (YouTube)
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そして、こちらも「東京Jazz」の常連組であり、グラミー賞アーティスト(関連記事)、バークリー最年少講師のキャリアを持つ、エスペランサ・ スポルディング(Esperanza Spalding)が、彼女の新プロジェクト「エスペランサ・ スポルディング Presents Emily’s D+Evolution」として登場しました。
今回は彼女のエレクトリック・ベースとそのビジュアルが注目でした。
エスペランサ・ スポルディング(Esperanza Spalding) Presents Emily’s D+Evolution Performs “One”
https://www.youtube.com/watch?v=AkKhN590tN8 (YouTube)
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