「世代を超えて、国境を越えて」(1)~東京JAZZとハービー・ハンコック


今年で13回目となった「東京JAZZ」ですが、ここ数年は会場に足を運ぶこともなく、NHK-FMでの生放送やNHK-BSプレミアムでのダイジェスト映像で観る程度となりました。田舎住まいの出不精と魅力的なプログラムが無くなったのも原因のようです。

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そんな中、10月14日の放送「第13回 東京JAZZ VOL.1」で9年振りに出演したハービー・ハンコックHerbie Hancock、1940年米国イリノイ州生まれ)の演奏を楽しみました。74歳になるハービー・ハンコック率いるバンドは、確かに「世代を超え、国境を超えた」メンバーでした。

  • (b)ジェイムス・ジーナス(James Genus、1966年米国バージニア州出身)
  • (g)リオーネル・ルエケ(Lionel Loueke、1973年西アフリカ ベナン共和国出身)
  • (ds)ヴィニー・カリウタ(Vinnie Colaiuta 、1956年米国ペンシルベニア州出身)

まずは放映された曲は、当日のステージ最後を飾った定番のジャズ・ヒップホップの代表曲「RockIt / Chameleon」の演奏でした。今回の東京JAZZの映像ではありませんが、昨年アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたライブの時の映像で観てください。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock) | ロックイット(Rockit)&カメレオン(Chameleon) | 20/08/2013
https://www.youtube.com/watch?v=rMROSxxXXgU (YouTube)

残念ながら東京JAZZの時と異なり、ハービー・ハンコックの秘蔵っ子と云われているギターのリオーネル・ルエケが参加しておらず、インド出身のタブラ(Tabla:インドの楽器)奏者ザーキル・フセイン(Ustad Zakir Hussain、1953年- )が加わっています。

一方、リオーネル・ルエケ参加の映像としては2006年のスイスでの映像がアップされていますので比較してみて下さい。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock) | カメレオン(Chameleon) | live, 2006
https://www.youtube.com/watch?v=dBkoxR6eSQU (YouTube)

ハービー・ハンコックのショルダー・キーボードは当時はローランドの「AX-7(販売完了品、製品カタログ)」のようでしたが、現在はショルダー・シンセサイザー「AX-SYNTH」にグレードアップしているようです。ショルダー・キーボードについてはヤマハの製品名「ショルキー」として馴染みがありますが、最近再び復活しつつあるようです。(参考:ショルダー・キーボードは和製英語で、英語圏では「keytar(キーター)」と呼ばれる。)

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この内、「カメレオン(Chameleon)」は1973年リリースのアルバム「ヘッド・ハンターズ(Head Hunters)」に収録され、ハービー・ハンコックのエレクトリック・ジャズ期の代表作です。
そして「ロックイット(Rockit)」の方は1983年リリースのアルバム「フューチャー・ショック(Future Shock)」収録曲であり、この曲は同年のグラミー賞「ベスト・R&B・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞」にも輝いています。

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何と言ってもDJスクラッチ(Grand Mixer D.STによる)を取り入れたスタイルは衝撃的でした。
DJスクラッチ入りのグラミー賞受賞時の映像があります。未だ43歳のハービーです。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock) | ロックイット(Rockit) | 26th 1983 Grammy Award
https://www.youtube.com/watch?v=XSxMtDnRS24 (YouTube)

2002年に始まった東京JAZZですが2005年の第4回まで音楽プロデューサーを務めたのがハービー・ハンコックで、そのテーマ「世代を超えて、国境を越えて」に沿った多様なプログラムだったように思います。
彼自身のバンドもそれぞれ趣向を変えて、その音楽性同様に幅広いパフォーマンスを見せてくれていました。

まずは2002年はDJスクラッチも入った「Future 2 Future」で登場し、2003年は「トリオ」、2004年の「カルテット」、そして2005年は「ヘッドハンターズ’05」でした。
2002年の「Future 2 Future」については、LAでのライブの模様を収めたDVDがあります。こちらは1982年の「Rockit」が特典映像として付いていてお薦めです。

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さて、2005年の「ヘッドハンターズ’05」でもメンバーとして出演し注目されたリオーネル・ルエケですが、西アフリカ地方にあるベナン共和国出身でバークリー音楽大学でも学んでいます。2000年に卒業するとジャズの名門モンク・インスティチュート(The Thelonious Monk Institute of Jazz)を受験し、その時の試験官であったハービー・ハンコックにその才能を見出されたとのことです。
詳しくは彼を紹介したウェブマガジンの記事がありましたので、そちらを参考にして下さい。

Web Magazine Opners/Guest Lounge

そのリオーネル・ルエケが当ブログの記事でも紹介されたことのある、「グレッチェン・パーラトGretchen Parlato)」「マーク・ジュリアナMark Guiliana)」等と作り上げたアルバム「リオーネル・ルエケ | ヘリテッジ(Heritage)」が一昨年リリースされています。彼等の若きグルーヴ感を味わってみて下さい。3曲目収録の「トライバル・ダンス(Tribal Dance)」ではルエケとパーラトのデュエットも楽しめます。

リオーネル・ルエケ(Lionel Loueke) | トライバル・ダンス(Tribal Dance)
https://www.youtube.com/watch?v=a7QymJfoL1w (YouTube)

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このアルバムにピアノとキーボードで参加し共同プロデューサーである、「ロバート・グラスパーRobert Glasper、1978年 -、米国テキサス州出身 )」 は、ジャズやゴスペル、ヒップホップ、R&B、オルタナティブなロックなどのエッセンスを取り入れた革新的なスタイルが評価されており、2012年の第55回グラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を、アルバム「Black Radio」で獲得した逸材です。

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因みに、当ブログ推薦のmonologは「和製ロバート・グラスパー」との異名があるそうです。
monologと最近注目のジャズ・シンガー市川愛(ai ichikawa)による「山下達郎|Paper Doll」のカバーが収録のコンピレーション・アルバム「TWILIGHT TIME」が10月29日にリリースされています。

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次のGrand Galleryのウェブサイトでアルバム紹介と試聴ができます。70~80年代の所謂シティ・ポップスの好きな方にはお薦めです。

10.29 「V.A./TWILIGHT TIME」リリース決定! (Grand Gallery/Product)

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