「純情きらり」の時代~ジャズ・ピアニストが夢だった主人公(1)


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8月15日の夜明け前の空

今年の終戦記念日8月15日、その未明の空は晴れ渡っていました。ペルセウス座流星群を期待しましたが、はっきりとした流星には出会うことはできませんでした。
その未明の空、はるか東方の朝日の方角に向かう飛行機らしき光跡が写っていました。

大人気のNHK朝の連続テレビ小説(通称、朝ドラ)「あまちゃん」(関連の<キャンペーン情報>の記事)ですが、いよいよ大詰めを迎え物語の結末が気になります。少しでも早く見たい方には、NHK総合(地上波放送)より30分早く、7時30分から始まるNHK BSプレミアムでの視聴をお薦め致します。

そして、その前の7時15分からは以前の朝ドラの再放送番組もあります。
現在は、2006年上半期(4月から9月)に放送されていた「純情きらり」が再々放送されています。
NHK放送開始80周年記念番組でもある「純情きらり」のあらすじは次のような内容です。

昭和初期、7歳になる有森桜子は、4歳のときに母親・マサを病気で亡くしてからというもの、父親・源一郎に男手ひとつで育てられていた。
10年後、16歳になった桜子は、周囲の反対を押し切り東京音楽学校(現在の東京藝術大学)への進学を希望する。そんな矢先、父・源一郎が事故により命を落としてしまう。
姉・笛子は進学に反対するが、父が遺してくれたピアノを極めようと没頭する。 翌年、桜子は幼なじみの松井達彦とともに、東京音楽学校を受験するが不合格に終わってしまう。
その後、桜子は岡崎に帰ろうとするが、東京音楽学校の教授・西園寺公麿に励まされ、来年もう一度受験することを決意する。
さまざまな紆余曲折を経て、戦地から帰還した達彦と結婚する。その後結核を煩いながらも輝一を出産する。輝一に感染しないようにと決して会おうとはしない桜子に、山長や有森家の人々は輝一の姿を動画に収め、桜子の意識が朦朧とする中、病室の白壁に映して見せたのだった。
ジャズピアニストを夢見ながら、戦争に揺れる昭和の激動時代を駆け抜けるヒロイン・桜子の波乱万丈の人生を描いていく。

出典:Wikipedia

 このドラマの原案は、小説家太宰治(関連の記事:「サヨナラ」ダケガ人生ダ)の次女である津島佑子(つしまゆうこ、1947年 -)の大作「火の山-山猿記」であり、この物語の有森家5代の歴史から、ヒロインの有森桜子(ありもりさくらこ、配役:宮崎あおい)の人生を中心にドラマ化されています。
尚、太宰治がモデルだと思われる画家の杉冬吾(すぎとうご、配役:西島秀俊)も重要な登場人物の一人です。

 

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この朝ドラは次のようなシーンから始まりました。

連続テレビ小説 純情きらり
http://www.youtube.com/watch?v=_H4CTwa1EXY (YouTube)

その昭和初期から第二次世界大戦に突入し、激動の時代の中で翻弄される 主人公が描かれて行きます。
やがて、ピアノ好きの女の子は音楽学校を目指す訳ですが、それは父親の好んだ音楽の影響だったかも知れません。当時としては珍しいジャズにも興味を持つようになります。
ドラマに登場したジャズの曲は確かこんな曲でした。

まずは戦前のダンスホールでバンドが演奏していた曲はこれです。

St. Louis Blues (1933 version) |Louis Armstrong
http://www.youtube.com/watch?v=JZEmJ_XEAoQ (YouTube)

そして戦後の未来に向けた学校のシーンで、代用教員になっていた桜子がピアノで弾いたのは次の曲です。

On the Sunny Side Of The Street|Louis Armstrong and the All Stars 1947
http://www.youtube.com/watch?v=eodWD5leie8 (YouTube)

「セントルイス・ブルース」は大正ロマンから昭和モダンの時代における音楽として、当時の社会に溶け込んでいるように感じますし、「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」は戦後復興の象徴的な曲調です。
個人的には「セントルイス・ブルース」といえば、「いやんばかーん・・・♪」と口に出てしまいますが。

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戦前におけるジャズの隆盛も束の間、戦争が激しさを増して行く中で、敵性語や敵性音楽が禁止されるに事になります。
「レコード」は「音盤(おんばん)」に、「ピアノ」は「洋琴(ようきん)」に、そして「サクソフォン」に至っては「金属製曲がり尺八(きんぞくせいまがりしゃくはち)」と言い換えられました。
「ジャズ」についてはその存在自体が否定された訳ですから、言い換える必要も無かったでしょう。

主人公の桜子ですが、一年目の受験では東京音楽学校の受験に失敗しますが、翌年には見事合格します。しかし、実家の状況等により音楽の道を一旦断念し故郷の岡崎に戻ります。
その岡崎では喫茶店(店名「マルセイユ」は「丸勢勇」と改名)で女給をしながら実家を助け、やがて恋人の松井達彦(配役:福士誠治)の出征を機に婚約し、その実家である八丁味噌の蔵元「山長」の女将修行も経験します。

達彦の出征直前には内輪のピアノ演奏会が開かれました。そこで桜子と達彦が連弾で披露したのが、「リスト(Franz Liszt、1811年 – 1886年)|愛の夢(独:Liebesträume)」でした。

こちらの曲は、主人公桜子よりも約10年後に生まれたフジコ・ヘミング(本名:イングリッド・フジコ・フォン・ゲオルギー=ヘミング、1932年 -、ベルリン生まれ)の演奏で聴いみて下さい。

フジコ・ヘミング|リスト 愛の夢第3番
http://www.youtube.com/watch?v=ytZzeWm47IU (YouTube)

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このアルバム「フジ子・ヘミングの奇蹟~リスト&ショパン名演集~」では「リスト|愛の夢」を2通りのテイクで聞き比べができます。また、以前の記事「たけしとジャズ、60年代の新宿」で紹介した村上春樹の小説に登場する「リスト|巡礼の年」も収録されています。

フジコ・ヘミングは父親がスウェーデン人(母親は日本人ピアニストの大月投網子(とあこ))であったことからスウェーデン国籍の筈ですが、ある時期無国籍の扱いを受けています。
ベルリン生まれの彼女は5歳で日本に移住し、戦前戦後の混乱の中で少女時代を過ごします。終戦は13歳で迎えています。

彼女もまた東京音楽学校(卒業の時は東京藝術大学)に進みます。
在学中から数々の賞を受賞しますが、留学の際のパスポート申請で無国籍であることが判明します。
難民扱いでドイツ留学を果たす訳ですが、波瀾万丈の彼女の人生は、ドラマやドキュメンタリーを通してご存知のことと思います。

 

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「純情きらり」の時代~ジャズ・ピアニストが夢だった主人公(2)に続く

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