映画「黄昏」は「父と娘」の関係がテーマでしたが、「父と息子」の関係を描いた映画とドラマにも傑作があります。
アカデミー賞受賞作品では、1972年に公開された「ゴッドファーザー(The Godfather)」は、父と息子の愛と絆を描いた作品だと思います。
同年度のアカデミー賞で「作品賞」「最優秀主演男優賞(マーロン・ブランド、受賞拒否)」「脚色賞」を受賞しました。
父はニューヨークのマフィヤ5大ファミリーのボス(ゴッドファーザー)、三男は、軍隊で輝かしい戦績を上げて英雄となっている。父は三男をマフィヤの世界には入れないと考えているし、三男もマフィヤの家族だが自分はマフィヤにはかかわらないと、恋人に明言していた。
ところが、父が他のファミリーに狙撃され、瀕死の重症を負う。かつ、まだ息絶えていないことが敵のファミリーにわかると、殺し屋が入院中の病院に差し向けられる。その時、病院には父を守る部下、子分はいなく、三男だけだった。この状況で、意識の無い父に「必ずお父さんの命は僕が守るから」とささやき、機転を利かせて、この最大のピンチを切り抜ける。ここから、三男は父の後を継がざるを得ないように、どんどん犯罪に染まっていく。
そして、父はこの三男を正式に自分の後継者として、ファミリーの新ゴッドファーザーとして、全ての権力を委譲していく。
父親は「敵のファミリーとの和解を取り持つと言ってくる子分が、裏切り者だ」という事を三男に教え、「本当は、三男をこの世界に引き込むことはしたくなかった」といって亡くなる。三男は父とは違う苦悩とか決断をせまられながら、父親以上の「ゴッドファーザー」になっていく。
この映画は、父と息子の精神的感情を描写する場面はあまりないのですが、父と三男が垣間見せる、それぞれへの親子愛、家族への責任、それがが社会的に良いことか悪いことか別として、本当に観る者の心に伝わってきます。
人間として、父の立場、息子の立場、愛情の持ち方、大切なものを守る気概、という、「父と息子のあるべき姿」を描いているように思います。
もちろん、この作品は、基本娯楽作品で、次から次へと物語の展開が本当に面白く、「3時間」という時間があっという間に過ぎてしまいます。
The Godfather Soundtrack
http://www.youtube.com/watch?v=1aV9X2d-f5g (YouTube)
「ニーノ・ロータ(Nino Rota)」のテーマ曲が本当に素晴らしいです!
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子母澤寛の小説「父子鷹」(おやこだか)は、映画、テレビが何度か制作されています。
「勝麟太郎」とその父「勝小吉」の父と息子の物語です。
父親は学問はできないが、男気があり、庶民に人気があり、喧嘩剣法が強く、正義感が強い。そして、今でいう「教育パパ」である。
息子の麟太郎をこよなく愛し、その成長を暖かくみまもる。所謂「トンビが鷹を産んだ」ということになります。
勝麟太郎は、幕末時、成長して勝海舟となり、江戸開城を含め新しい明治の時代をリードしていきます。
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吉幾三 | 父子じゃないか
http://www.youtube.com/watch?v=7qb_2LRUEKs (YouTube)
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今、TBSで毎週日曜日、午後9時から日曜劇場「とんび」というドラマをやっています。原作は、「重松清」の小説です。
福山雅治 | 誕生日には真白な百合を(とんび主題歌)
http://www.youtube.com/watch?v=EL3oJ2INzRI (YouTube)
母親を亡くした父と息子。父は本当に昭和の「頑固おやじ」タイプ。息子は本当に父親思いの「できた子供」。ということで、最初は「くさいなあ」と思いながらみていましたら、その臭さにハマってしまいました。
今から30年~40年前の時代設定の物語ですが、父一人、子一人、で、それぞれの愛情表現が素直にだせなくいろいろ廻り道をします。
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私自身が実際に歩んだきた「父親」とは大分違う父親像だけに、「ああなりたかったなあ」と、今さらながら想いをよせてしまいます。