タグ別アーカイブ: 上原ひろみ

キャラバン聞き比べ「ベンチャーズ」「上原ひろみ」「濱口祐自」


ST-caravan[1]キャラバン(英: Caravan)とは隊商と訳され、ラクダと砂漠のイメージが強く思い起こされます。
音楽においては、デューク・エリントン(Edward Kennedy “Duke” Ellington、1899年 – 1974年)の代表曲として有名なジャズのスタンダード曲で、多くのミュージシャンによってカバーされています。

デューク・エリントン(Duke Ellington) | キャラバン(Caravan)
https://www.youtube.com/watch?v=tFZMDJ0NbWY (YouTube)

ベスト・オブ・デューク・エリントン

中古価格
¥1,420から
(2015/9/4 11:45時点)

この独特の音階とリズムは、行ったことのない「中央アジアの風景」を想起します。
しかし、最初にこの「キャラバン」という楽曲を知ったのはザ・ベンチャーズ (The Ventures)によるカバーだったと思います。

ザ・ベンチャーズ(The Ventures) | キャラバン(Caravan)| ライブイン・ジャパン1966
https://www.youtube.com/watch?v=ajbinDXqyIY (YouTube)

ザ・ベンチャーズ コンプリート・ライヴ・イン・ジャパン’65

新品価格
¥1,638から
(2015/9/4 14:23時点)


そして当時流行のエレキギターのバンドは、このベンチャーズのバージョンをレパートリーにしたのでは無いでしょうか。1966年頃のテレビ番組「勝ち抜きエレキ合戦」などでも耳にするケースも多かったのか、個人的には一番のスタンダードなバージョンであったと思います。

勝ち抜きエレキ合戦~エレキギターの達人

新品価格
¥2,149から
(2015/9/4 11:46時点)


敢えて、コピー(Copy)とカバー(Cover)について区別するなら、これらの殆どはコピーバンドだった気がします。

コピーバンド(copy band)とは、有名なバンドの楽曲を複製し、演奏するバンドを意味する和製英語。英語では、カバーバンド(cover band)。コピーとカバーの違いに関する定義に基づけば、一定の区別が可能である。 コピーとカバーの違いについて、 既成曲にアレンジを加えず演奏することを「コピー」、既製曲に若干のアレンジを加えた演奏を「カバー」。
(出典:ウィキペディア)

さて、そんな「キャラバン」を当ブログでも何度か登場している上原ひろみの手に掛かると、全く違う世界が繰り広げられます。

上原ひろみ | キャラバン | Live at Jazz San Javier Festival 2008
https://www.youtube.com/watch?v=FC4AGdwcy-Q (YouTube)

  • Personnel:
    Hiromi – piano, keys
    David Fiuczynski – guitar
    Tony Grey – bass
    Martin Valihora – drums

ビヨンド・スタンダード(通常盤)

新品価格
¥2,054から
(2015/9/4 11:47時点)


2008年リリースのアルバム「ビヨンド・スタンダード(Beyond Standard)」に収録の「Caravan」のライブ映像です。彼女の初期のトリオであるバークリー出身のメンバーに、変態ギタリストの異名があるデイヴィッド・フュージンスキー(David Fiuczynski)が加わった「Hiromi’s Sonicbloom」というプロジェクトです。
賛否両論のあるフュージンスキーですが、紛れもないバークリー音楽大学の教授(Berklee Guitar Department)でもあります。
ジャズ・スタンダードとしての期待は完全に裏切られるアルバムですが、あらゆるジャズの可能性を信じるHiromiマニア必聴のアルバムかと思います。

そして、昨年還暦目前にしてメジャー・デビュー・アルバム「濱口祐自 フロム・カツウラ(Yuji Hamaguchi from KatsuUra)」をリリースしたブルース・ギタリスト濱口祐自の「Caravan」も聴いてみて下さい。

濱口祐自 | キャラバン

濱口祐自 フロム・カツウラ

新品価格
¥2,699から
(2015/9/4 11:48時点)

濱口祐自 ゴーイング・ホーム

新品価格
¥2,880から
(2015/9/4 11:48時点)

昨年11月30日にテレビ朝日系列で放映された「題名のない音楽会(放送内容)」で「俺たちの時代到来~アラ還ギタリスト登場」として紹介されていたので、ご覧になった方も多いと思います。今年7月22日にリリースされた2枚目のアルバム「濱口祐自 ゴーイング・ホーム(Going Home Yuji Hamaguchi)」の2曲目に「Welcome Pickin’~Caravan」として収録されています。彼のライブでは必ず冒頭に演奏するようです。
尚、彼の才能に惚れ込んだ細野晴臣もベースで2曲程参加しています。

何れにしろ、那智勝浦を拠点にした自由人「濱口祐自」ですが、20年以上以前に放映された彼の家族を取材した映像があります。

那智勝浦の天才ギタリスト、濱口祐自とその家族
https://www.youtube.com/watch?v=myXUVshMjcc (YouTube)

若い頃にはマグロの遠洋漁業船に乗り組み、パプアニューギニアまで行ったそうです。流石に、漁船では彼の好みの音楽は受け入れられなかったようで、もっぱら演歌と軍艦マーチで明け暮れたそうです。

ジャズピアノといえば「オスカー・ピーターソン」


ジャズピアノの巨匠といえば、Jazzファンの多くの人が「オスカー・ピーターソンOscar Peterson)」をトップスリーの一人に必ず選ぶのでは思います。私も学生時代ジャズに触れた時からジャズ喫茶でよく聴いていました。
この、ブログでも、大徳俊幸小曽根真がジャズピアノの世界に入る切っ掛けは、「オスカー・ピーターソン」であったということを紹介しました。

そして、「ピアノトリオ」というメンバー構成をピアノ、ベース、ドラムスの構成でスタンダードにしたのはオスカー・ピーターソンではなかったと思います。特にオスカー・ピーターソン(Oscar Peterson p)、レイ・ブラウンRay Brown, b)、エド・シグペンEd Thigpen, ds)というメンバーの時代(1959年から1965年)は名盤を数多く残しています。

その名もズバリ、「The Trio」(オスカー・ピーターソン・トリオの真髄)」
1961年7月、シカゴの「ロンドン・ハウス」で行われたライヴの収録です。

オスカー・ピーターソン・トリオ(Oscar Peterson Trio) | シカゴ(Chicago)
https://www.youtube.com/watch?v=9aFpc3TZ-DY (YouTube)

ザ・トリオ/オスカー・ピーターソン・トリオの真髄

新品価格
¥3,995から
(2015/2/13 12:01時点)

抜群のスイング感と演奏のスピード感でぐいぐい惹き込まれていきます。
オスカー・ピーターソンの華麗なピアノ、レイ・ブラウンのスイングするベースと、エド・シグペンの多彩なドラミングが一体となっています。

ジャズスタンダードである”There Is No Greater Love”は、1936年イシャムジョーンズ(Isham Jones)作曲です。
オスカー・ピーターソン・トリオ(Oscar Peterson Trio) | ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラブ(There Is No Greater Love)
https://www.youtube.com/watch?v=0HEtFO9w3Ds (YouTube)

オスカー・ピーターソンと相性の良かったベーシスト、レイ・ブラウンとニールス・ペデルセンNiels Pedersen)、この二人が揃った「ピアノ+ベース2本」という変則トリオでの演奏です。これは、1997年カナダでのライブです。
実際の演奏はベーシストは交互にバッキングやソロをこなし、一人がベースを弾いている間はもう一人は休んでいます。
曲の中演奏の違いが、解釈の違いなど、そしてピーターソンのピアノとの掛け合いなど、ベーシスト両者の個性とても良くが出ています。何よりも、3人の演奏者がいかにも楽しそうで、聞く側もジャズの楽しさを十分感じさせてくれる一曲です。

そして、上原ひろみもオスカー・ピーターソンに影響を受けたジャズピアニストの一人です。

オスカー・ピーターソン(oscar peterson) | アイ・ゴット・リズム(I’ve got rhythm)
https://www.youtube.com/watch?v=iRIr22pv0hA (YouTube)

1951

新品価格
¥1,088から
(2015/2/13 12:02時点)

上原ひろみ | アイ・ゴット・リズム(I’ve got rhythm)
https://www.youtube.com/watch?v=6JfKY0K_NQk (YouTube)

ビヨンド・スタンダード

中古価格
¥2,188から
(2015/2/13 12:04時点)

ジョージ·ガーシュイン(George Gershwin)作曲、アイラ·ガーシュウィン(Ira Gershwin)作詞。1930年にミュージカル「Girl Crazy」 の中の曲としてリリースされました。その後、チャーリー·パーカー(Charlie Parke)や ディジー·ガレスピー(Dizzy Gillespie)などのジャズミュージシャンの演奏にて、ジャズのスタンダード曲となりました。

上原ひとみオフィシャルサイトから、2007年12月26日「ありがとオスカー

(抜粋)
2001年に、ノーマン・グランツが、
2002年に、レイ・ブラウンが、
2005年に、ニール・ペデルセンが、 オスカーの盟友が亡くなるたび、オスカーは、
みんな向こうで仲良くやってるさ、と言っていた。
そして、今年、とうとうオスカーが逝ってしまった。

本当に「黄金のピアノトリオ」のメンバーが、全ていなくなってしまった・・・ということですね。

(抜粋)
すごい人だった。
ピアノがこんなに喜ぶものか、と思った。
なんて、明るく楽しいピアノだろう。
なんて、聞いてる人の心を躍らせるのだろう。

同じピアノ奏者だから言えるのですね。

「上原ひろみ」が今あるのはまさに「オスカー・ピーターソン」から始まっている、という気持ちがひしひしと伝わってくるメッセージです。

東京JAZZと女性ピアニスト~ジャズ細うで繁盛記(1)


今年で第12回目を迎えた東京JAZZですが、9月7日(土)~8日(日)に、2日間昼夜4公演が開催されました。
2002年の第1回と翌年の第2回が味の素スタジアムicon(東京都調布市)、2004年の第3回とその翌年の第4回が東京ビッグサイトicon(東京都江東区)となり、2006年の第5回以降は現在の東京国際フォーラムicon(東京都千代田区)で開催されています。

TokyoJazz2004

東京JAZZ2004(東京ビッグサイト)

第4回の東京ビッグサイトになって初めて足を運びました。確か日曜昼のセッションだったと思います。
いつもは国際見本市などで訪れるイベントホールの特設ステージですが、ステージとの距離感も近く、5グループの演奏を堪能しました。
このブログで前にも紹介した上原ひろみTOTOB787ドリームライナーと夢のTOTO(1)(2)の記事)のステージは、今でも鮮明に蘇ってきます。

その2004年が最初の登場だった上原ひろみですが、その後2006年、2008年、2009年、2011年と5回出演しています。複数のステージを務めた年もあり、東京JAZZ最多出演アーティストではないでしょうか?

そして今年の生出演はありませんでしたが、東京国際フォーラムの地上広場で最新ライブDVD「MOVEライブ・イン東京(昨年12月の東京国際フォラム公演を収録)」の上映があったようです。このDVDは一般発売の無い上原ひろみオフィシャルサイトだけの限定商品だそうで、未だ発売前で現在予約受付中とのことです。

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト – 「MOVE」ライヴ・クリップ

ムーヴ(初回限定盤)(DVD付)

新品価格
¥2,228から
(2013/9/13 00:32時点)

TokyoJazz2005

東京JAZZ2005(東京ビッグサイト)

翌年の2005年には上原ひろみと同じバークリー音楽大学出身の山中千尋(やまなかちひろ、生年非公表、群馬県桐生市出身)が初登場しました。
日曜昼の部「Club “Jazzin”」がテーマの公演でした。バークリーの副学長を引退し演奏に専念しだしたゲイリー・バートン(Gary Burton、ジャズと不易流行(1)(2)の記事)やマーカス・ミラー(Marcus Miller、1959年 -、NY出身)なども出演しました。
私自身も前年に続き充分堪能した公演でした。マーカス・ミラーなどは大幅な時間延長で観客を楽しませてくれた記憶が残っています。ステージと客席の距離感も近く感じました。

Blue_Lounge_031205

パーラメント”Blue Lounge”の会場入口(2003年12月5日)

私が山中千尋のライブを最初に観たのは2003年12月で、フィリップモリス社主催の「パーラメント(PARLIAMENT)”Blue Lounge”」というイベントのことでした。
マイルドセブン(現在のメビウス)のバーコードを貼って応募し当選した幸運でした。
200組400名を貸し切りの綱町三井倶楽部(東京都港区)に招待して、豪華な食事や幾つかのスペースでライブも楽しめるイベントの一コマでした。
更に、トラック何台かで雪を運び込み、都心の庭園に施した雪化粧のライトアップや花のアレンジメントなど、假屋崎省吾の手による空間演出は幻想的でもありました。写真が撮れなかったのが残念です。
愛煙家冥利に尽きるイベントでしたが、最近ではあり得ない企画の様に思います。

その山中千尋ですが、バークリーに進む前に卒業した桐朋音楽大学でクラシックを学んでいます。彼女の原点とも云えるクラシック曲を素材にしたアルバム「モルト・カンタービレ」を8月にリリースしています。
新たな「山中千尋ワールド」を確かめてみて下さい。

山中 千尋|トルコ行進曲
http://www.youtube.com/watch?v=yvh3j8riFRk (YouTube)

モルト・カンタービレ(初回限定盤)(DVD付)

新品価格
¥2,580から
(2013/9/13 00:34時点)

この最新アルバム発売記念の全国ホールツアーが予定されています。
東京は9月19日(木)町田市民ホールicon(東京都町田市)、9月20日(金)紀尾井ホールicon(東京都千代田区)、9月23日(月、祝日)渋谷区文化総合センター大和田さくらホールicon(東京都渋谷区)となっています。

山中千尋 ニューヨーク・トリオ 全国ホールツアー2013 告知

チケットぴあ一般発売 | 山中千尋 ニューヨーク・トリオ | 2013/9/19(木) | 町田市民ホール(東京都)icon
一般発売 | 山中千尋 ニューヨーク・トリオ | 2013/9/20(金) ・ 2013/9/23(月・祝) | 紀尾井ホール(東京都) / 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(東京都)icon

上原ひろみや山中千尋よりも前の1989年にバークリーを卒業し、一世を風靡した女性ジャズ・ピアニストに大西順子(おおにしじゅんこ、1967年 -、京都府出身)がいます。
2000年に一旦活動を休止しますが、その後復帰し2009年の東京JAZZに初登場しています。
しかし、昨年惜しまれながら、再びプロ演奏家としての活動から引退しました。
彼女の衝撃のデビュー作となったのは1993年の「ワウ(WOW)」です。ジャズとしては異例の5万枚のセールスがあったそうです。

Junko Onishi|The Jungular
http://www.youtube.com/watch?v=YZ4LfHNPWBs (YouTube)

WOW

新品価格
¥1,799から
(2013/9/13 00:39時点)

その彼女が、ボストン交響楽団(The Boston Symphony Orchestra)の音楽監督を長年(1973年 – 2002年)務めた小澤征爾(おざわせいじ、1935年 -、満州国生まれ)と の共演を果たしたとのニュースがありました。当ブログでも話題(シタールとノルウェイの森(2)の記事)にした、ジャズに造詣の深い作家の村上春樹が仲介したとの事です。

小澤征爾さん、ジャズ指揮=大西順子さんと共演 (時事ドットコム)

 

小澤征爾さんと、音楽について話をする

新品価格
¥1,680から
(2013/9/13 00:41時点)

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック

新品価格
¥2,647から
(2013/9/13 00:42時点)

上原ひろみ、山中千尋、大西順子の三人はダイナミックで高度な演奏技術が特徴的ですが、何れもバークリーを首席で卒業した後にニューヨークに活動拠点を移し活躍しています。まさに世界を舞台にした「ジャズ細うで繁盛記」*といった形容が相応しいと思います。

さて今年の東京JAZZですが、かつてメディアで天才少女と称された若干21歳のジャズ・ピアニスト桑原あい(くわばらあい、1991年 -)が初登場しました。

東京JAZZと女性ピアニスト~ジャズ細うで繁盛記(2)へ続く

*編集部注:「細うで繁盛記」は、花登筺「銭の花」が原作のテレビドラマのタイトル。1970年1月~1971年4月に放送された。

JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(1)


江戸時代の俳諧師で俳聖と云われた松尾芭蕉が、「奥の細道」の旅の中で見出した蕉風俳諧の理念の一つに「不易流行」という言葉があります。その意味するところは次のような内容です。

ふえき-りゅうこう【不易流行】
いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。蕉風俳諧の理念の一つ。解釈には諸説ある。
「不易」はいつまでも変わらないこと。「流行」は時代々々に応じて変化すること。

出典:新明解四字熟語辞典

『奥の細道』を旅する

新品価格
¥500から
(2013/3/7 00:24時点)

先月2月24日発表のアカデミー賞(Academy Awards)(当ブログ記事はこちら)でアメリカにおける大きな賞レースは一段落しました。その2週間前のグラミー賞(Grammy Awards)は音楽賞として最も権威があると云われています。その主要部門の結果は当ブログの<音楽ニュース>で紹介しました。
グラミー賞の名称は蓄音機のgramophoneに由来するように、幅広い音楽のジャンルとその業界に関係する多くの才能を対象としています。
今年の第55回グラミー賞の候補としてノミネートされた個人は740名程に上り、最終的には30分野81のカテゴリーにおいてウィナーが誕生しました。表彰を受けた人数は複数カテゴリーの受賞者もあり140名強になります。
詳細については公式ページを御覧ください。

そのグラミー賞で、ジャズ分野の中に「不易流行」を感じさせるウィナー達を見付けました。
まず1番目はゲイリー・バートン(Gary Burton、1943年 -、インディアナ州出身)とチック・コリア(Chick Corea、1941年 -、マサチューセッツ州出身 )です。
彼らの共作になるアルバム「Chick Corea & Gary Burton|Hot House」が受賞しています。

31. Best Improvised Jazz Solo
WINNER:Hot House
Gary Burton & Chick Corea,soloists
Track from: Hot House
Label: Concord Jazz

Hot House

新品価格
¥1,049から
(2013/3/7 00:24時点)


尚、チック・コリアはこのアルバム収録の「Mozart Goes Dancing」の作曲で、「59.Instrumental Composition」カテゴリーでも同時受賞しています。
1972年に始まったヴィブラフォン(Vibraphone)とピアノ(Piano)による珠玉のアコースティック・デュオが、40年後のニューアルバムについて語る公式映像があります。
Chick Corea & Gary Burton|Hot House (April 2012)

このアルバムではビートルズの名曲「エリナ・リグビー(Eleanor Rigby)」を二人のデュオで聴くことができます。

チック・コリアはHiroさんの「Ever Green」な曲で紹介されているように、ベーシストのスタンリー・クラーク(Stanley Clarke、1951年 -、ペンシルバニア州出身)と結成した「リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)」のプロジェクトが余りにも有名です。
カモメのジャケットで知られ、ジャズ・フュージョン最大級のヒットアルバム「Return to Forever」ですが、これに収録されている「Crystal Silence」は、ほぼ同時期にゲイリー・バートンとのデュオでも録音されています。

リターン・トゥ・フォーエヴァー

新品価格
¥1,524から
(2012/12/20 10:44時点)


一方がエレクトリック・ピアノを主体としているのに対し、もう一方はアコースティック・ピアノを駆使しています。その1972年に録音されたアルバムのCD盤は「Chick Corea and Gary Burton|Crystal Silence」があります。

Crystal Silence

新品価格
¥1,049から
(2013/3/7 09:21時点)


二人のコンサートでは良く演奏されているようで最近の映像があります。バートン・グリップと呼ばれるマレット(バチ)捌きも確かめて下さい。
Chick Corea and Gary Burton|Crystal Silence
http://www.youtube.com/watch?v=VnlAPR_ixo4 (YouTube)

チック・コリアはマサチューセッツ州の出身ながらボストンの大学ではなく、ニューヨークにある音楽の名門ジュリアード音楽院(当時、The Juilliard School of Music)に学んでいます。
当ブログにも何度か登場しているジャズピアニストの上原ひろみですが、16歳の時チック・コリアと出会い共演まで果たしています。
その後バークリー卒業とメジャーデビューを経て、2008年には二人のデュエット・アルバム「デュエット」も発表し、武道館公演も実現します。

デュエット

新品価格
¥2,839から
(2013/3/7 00:25時点)


CHICK COREA & HIROMI UEHARA | Concierto De Aranjuez / Spain
http://www.youtube.com/watch?v=I5G4c3J-_0U (YouTube)

その彼女が20歳の時、ヤマハの留学支援によりバークリー音楽大学に進んだ訳ですが、在学当時の副学長(Executive Vice President)はゲイリー・バートンが務めていました。

JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(2)へ続く

夢であいましょう(1)


シャボン玉ホリデーと人気をニ分していたバラエティ番組がNHKの「夢であいましょう」でした。1961年4月から1966年4月まで、毎週土曜日午後10時から放映していました。
後から知りましたが、シャボン玉ホリデーはVTR収録して放映していたが、「夢であいましょう」は生放送だったとの事です。

この番組の主題歌を歌ったのは、ラテン歌手として有名な「坂本スミ子さん」です。後には女優としても活躍されていました。
坂本スミ子 | 夢であいましょう
http://www.youtube.com/watch?v=rQIdmpGwPdU (YouTube)

長いこと「中嶋弘子さん」が司会を担当されていたのですが、私の印象に残っているのは、「黒柳徹子さん」の司会でした。
音楽バラエティー番組でしたので、「坂本九」「坂本スミ子」「田辺靖雄」「九重佑三子」「デューク・エイセス」「ジェリー藤尾」等の歌手と、「谷幹一」「渥美清」「三木のり平」等のコメディアンが、歌と踊りとを一緒になって織なしました。日本のバラエティ番組の先駆けとなった番組でした。
出演者方々も、その後、ミュージシャン、俳優とそれぞれの分野で活躍する方が多く出演していました。
そして、番組で紹介した「今月のうた」は、数多くのヒット曲を生み出しました。

その中でも、「坂本九さん」が歌った「上を向いて歩こう」は、どなたでも知ってる有名な曲です。また、海外では「SUKIYAKI」という曲名で、米国、ヨーロッパでも大ヒットしています。全米で、1963年発売後、「ビルボード誌(Billboard)」で6月15日付から3週連続、「キャッシュボックス誌(Cash Box)」では6月15日付から4週連続1位になりました。
坂本九|上を向いて歩こう
http://www.youtube.com/watch?v=ZAW0Vd9XVA8 (YouTube)

今まで、日本、海外を含め多くの歌手、ミュージシャンがこの曲をカバーしています。イギリスでは「ケニー・ボール(Kenny Ball)」がJazz(デキシーランド)で演奏しています。東日本の震災の後「ベン・E.キング」が日本語で歌っています。

「RCサクセション」や「岩崎宏美」「徳永英明」「平井堅」達は自分のアルバムに収録し、「美空ひばり」「ペギー葉山」「宇多田ヒカル」「サザンオールスターズ」らはステージで歌っています。

そして、Jazzでは、「上原ひろみさん」が「Beyond Standard」でカバーしています。「上原ひろみさん」は、バークリー音楽大学ジャズ作曲科とCWP(Contemporary Writing & Production)科を首席で卒業したJazzピアニストです。
Hiromi Uehara | uewo muite arukou
http://www.youtube.com/watch?v=NqVDIFaCK8U (YouTube)
夢であいましょう(2)に続く

 

夢であいましょう 今月のうた 大全(DVD付)

新品価格
¥3,373から
(2013/2/1 16:15時点)

ビヨンド・スタンダード(初回限定盤)(DVD付)

中古価格
¥1,600から
(2013/2/1 16:16時点)

横濱ジャズプロムナード ジャズ・コンペティション(1)


Hiroさんがジャズの街「横浜」で紹介した「横濱ジャズプロムナード」ですが、その楽しみ方は幾つかあります。

一般的には、有料のフリーパス(当日:5,000円、前売り:4,000円)を購入して、お目当てのミュージシャンやバンドを中心に「ホールライブ」や「Jazz Club」めぐりだと思います。開催2日間共通のの「両日券」や「ペア券」を購入すれば、更に安くチケットが買えます。
日本でも、これだけ多くのジャズ・ミュージシャンが出演するイベントは他に無いと思います。大ベテランから若手まで、多少のジャズ好きでも、知っているミュージシャンに出会えると思います。

もう一つは、市内の街角や観光スポットがステージになる「街角ライブ」です。ジャズの音色に耳を傾けながら、秋の「横浜みなとみらい周辺のぶらり散歩」を楽しむのも良いでしょう。
また、無料ライブ会場となっている「ランドマークプラザ」では、若手ジャズ・ミュージシャンの演奏も楽しむことができます。
「街角ライブ」なら、食事やショッピング以外の余計な出費はありません。

そして、私が個人的に一番楽しみにしているのが「ジャズ・コンペティション」です。
新人ミュージシャンの登竜門として位置付けられるこのコンペティションは、ジャズプロムナードの開催日より前に決勝大会が行われました。
そしてジャズ・プロムナードでは、この大会のグランプリ・バンドのライブ演奏を、「ランドマークプラザ」で楽しむことができました。比較的音響効果も良く、通りがかりに誰でも楽しめる絶好のライブ会場です。

この「ジャズ・コンペティション」ですが、2011年と2012年と2年連続で開催されていません。非常に残念なことです。

その最後になった2010年の「ジャズ・コンペティション」は、「横浜赤レンガ倉庫1号館」ホールで行われました。

並み居る実力派バンドを尻目にグランプリを獲得したのは、スーパー女子高校生(当時)二人が中心の「あきは・みさき・BAND」でした。
グランプリ獲得後、ジャズプロムナード1日目にランドマークプラザで行ったライブ演奏の映像があります。

あきは・みさき・BAND|Byrd Like @YOKOHAMA JAZZ PROMENADE 2010

サックスの中島あきは(なかしまあきは、1992年和歌山県生まれ)は高校3年生、ドラムの中道みさき(なかみちみさき、1993年大阪府生まれ)は高校2年生でした。
二人は2008年にそれぞれ16歳と15歳で出場した、「神戸ネクストジャズ・コンペティション」の決勝大会で知り合い、バンド結成に至ったようです。
この時「みさき」は最年少での決勝進出でした。
「あきは」は中学入学の頃流行った上野樹里主演の「スウィング・ガールズ」に憧れ、「みさき」は小学6年生の時に「上原ひろみ」に感銘を受け、それぞれ「JAZZ」に傾倒したようです。
その時の「ジャズ・コンペティション 2010」入賞者は次の通りです。

  • グランプリ:あきは・みさき・BAND
  • ベストプレイヤー賞:中道みさき(ドラム)from あきは・みさき・BAND
  • ジャズクラブ賞&洗足学園音楽大学賞:二見勇気トリオ
  • 横浜市民賞:山吹桜・東野恵祐Duo
  • よしだまちアート&ジャズタウン賞:嘉本信一郎トリオ

それぞれ既に実績のあるバンドです。
「山吹桜・東野恵祐Duo」はバークリー音楽大学を卒業したばかりの二人組みでした。
これらのバンド以外に、「既に、新人とは言い難い」として賞を逃したグループには、同大のパフォーマンス、ジャズコンポジション学科を首席で卒業したばかりの伊東亜紀子(Flute)率いる、多国籍の「Happy Dreams」が出場していました。
全員がバークリー卒の「Happy Dreams」による彼女のアルバム、「伊東亜紀子|メモリー・レーン~思い出の小道」(2011年)があります。

メモリー・レーン~思い出の小道

新品価格
¥2,697から
(2013/1/28 15:37時点)


お洒落なブラジリアン・サウンドに仕上がっています。
尚、このアルバムには、monologことYuki Kanesakaがレコーディング&ミックス・エンジニアとして参加しています。
その中の代表曲、「エウ・アーモ・オ・ブラジル(Eu amo o Brasil)」の映像があります。彼女がバークリー時代に行った、BPC(Berklee Performance Center)における演奏風景です。
三重県桑名のお姫様コンテスト優勝経験を持つ、彼女の演奏をご覧下さい。

Akiko Ito|Eu amo o Brasil
http://www.youtube.com/watch?v=6JYtZtecYYQ (YouTube)

審査の舞台裏では喧々諤々(けんけんがくがく)、意見は色々あったと思います。更に、大変だったのは結果発表でのできごとでした。

結果発表も大詰め、最後の「グランプリ」発表の際に、大問題が起きました。
審査委員長(本人は委員長代理を主張していました)の、ピアニスト板橋文夫(1949年生まれ)による発表の時、「あきは・みさき・BAND」のメンバーは誰一人ステージに現れなかったのです。

 横濱ジャズプロムナード ジャズ・コンペティション(1)に続く

B787ドリームライナーと夢のTOTO(2)


B787ドリームライナーと夢のTOTO(1)の続き

バンド名「TOTO」の名前の由来について、初来日の時、音楽雑誌「ミュージック・ライフ(1998年休刊)」のインタビューで、「日本の便器メーカーTOTOからとった。TOTOの便器が欲しかったからね。」というのは、日本のファンへのリップサービスも含んだジョークだったようです。

実際は、「オズの魔法使い」に出てくる犬の名前に因んで、覚え易いこともありTOTOとなったようです。偶然にも、ラテン語の「toto」には「すべてを含む」という意味があるとのことで、”total”な音楽を目指す彼らのバンド名とアルバム・タイトルが決まったとの説です。

しかし、実質的リーダーのルカサーは、世界的に有名になったトイレメーカーと同じこのバンド名が気に入ってなかったようです。既に定着してしまった「TOTO」を、洒落っ気も含めて使い続けているようです。

個人的には、TOTO製「ウォシュレット」のCMで、「世界のTOTO:夢のコラボレーション」を視てみたい気がします。
その際のキャッチコピーは、「世界中のおしりを洗って欲しいの!」で、音楽は「TOTO|Africa」で如何でしょうか?

そしてもう一つ、MAHALOさんのようにルカサー好きの方には、「ライヴ・イン・アムステルダム25th」と同時発売の、「《Blu-rayスーパー・プライス2500》(期間生産限定)フォーリング・イン・ビトウィーン・ライヴ」をお薦めします。

《Blu-rayスーパー・プライス2500》(期間生産限定)フォーリング・イン・ビトウィーン・ライヴ

新品価格
¥1,862から
(2013/1/22 14:42時点)


ルカサー色が濃くなった後期TOTOも見逃せません。代表作「Africa」で確認してみて下さい。
Toto|Africa (From “Falling in Between Live”)
http://www.youtube.com/watch?v=GU_1t8kK6wA (YouTube)

2004年の東京JAZZの、TOTOと同じ2日目昼の部に「上原ひろみ(1979年、浜松生まれ)が初出演しました。
前年にバークリー音楽大学の”Jazz Composition & Contemporary Writing and Production”を首席で卒業し、米国のテラーク・レーベルから「Hiromi|Another Mind」でデビューした彼女です。

Another Mind

新品価格
¥681から
(2013/1/22 14:42時点)


このアルバムは逆輸入の形で日本発売となり、それは第18回日本ゴールドディスク大賞のジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得しています。
尚、今年の日本ゴールドディスク大賞については、当ブログのこちらで紹介しています。

上原ひろみの出演した「東京JAZZ 2004」における、彼女のオリジナル曲「XYZ」の映像があります。
Hiromi Uehara|XYZ ~東京JAZZ 2004より~
http://www.youtube.com/watch?v=G6pgM-NVfWg (YouTube)

アルバム時のレコーディングメンバーとは異なりますが、同じバークリー出身の トニー・グレイ(Tony Grey、Bass)とマーティン・ヴァリホラ(Martin Valihora、Drums)のトリオによる演奏でした。
彼女の「逝っちゃてるのでは?」ともとれる、独特の演奏スタイルと躍動感は必見です。

D31_120625169_R話を戻して「B787ドリームライナー」ですが、世界で最初の納入機は2011年の全日空(ANA)です。B767の後継機として国内線にも多く就航していますので、これから搭乗機会が多くなると思います。

私は、羽田空港に駐機中のANAのB787を、昨年6月に偶然撮影しました。
ANAの機体でも、JAL同様の日本製バッテリーに関係した出火トラブルが発生しています。
早期の原因究明と、より安全な運航の再開が待たれます。
何しろ純国産機とも言えるほどに、その約35%を日本企業が担っている訳ですから、他人ごとではありません。

そんなB787ですが、ボーイング社の初代ジェット旅客機は1958年に就航したB707です。
そのB707がロサンゼルスの空港を飛び立つ様子が、フォーク・ソングの名曲に残っています。「朝の雨(Early Mornig Rain)」です。

In the early mornin’ rain with a dollar in my hand
・・・・・・

Out on runway number nine, big seven-o-seven set to go
・・・・・・

ここでは、カナダ出身の原作者ゴードン・ライトフット(Gordon Lightfoot)の歌で聴いて下さい。

Gordon Lightfoot|Early Morning Rain (1969)
http://www.youtube.com/watch?v=1pqttl9aWm0 (YouTube)

多くのアーティストによってカバーされたこの曲ですが、個人的には英国出身のチャド&ジェレミー(Chad & Jeremy)のものが好きでした。

Chad and Jeremy| Early Mornin’ Rain
http://www.youtube.com/watch?v=h5_sGYoy4Nc (YouTube)
現在「チャド&ジェレミー|遠い渚(紙ジャケット仕様)」にのみあるようです。

遠い渚(紙ジャケット仕様)

新品価格
¥1,200から
(2013/1/22 14:43時点)


最後に、TOTO製「ウオッシュレット」はその初代が、日本機械学会の定める「機械遺産」として、2012年に認定されたことを報告して終わりとします。