タグ別アーカイブ: ギタリスト・シリーズ

「ライ・クーダー」と映画「クロスロード」


ギタリストシリーズ(5)

ギタリストシリーズですが、先に映画を紹介します。
今回紹介する映画はあいかわらず音楽絡みとなりますが、「クロスロード(Crossroads)」です。ギター、ブルース好きの方はご存知かと思います。

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この映画の日本公開は1987年でしたが公開当時はその存在を知らず、のちに友人の勧めでレンタル店で借りて見たのが最初でした。といってもDVDではなくVHSの時代ですのでかなり前の事です。

ストーリーは、「ジュリアード学院(The Juilliard School)」でクラシック・ギターを学ぶ主人公「ユジーン」は卓越したテクニックで学院からも期待されながら、彼が本当に好きなのはブルースです。
ブルースへの憧れが高まるなか、「ブラインド・ドッグ・フルトン」ことウイリー・ブラウンが「懲役者専用療養所」に入院している事を知ります。
実在したウィリーは映画のタイトルとなった伝説のギタリスト「ロバート・ジョンソンRobert Johnson)」の「クロスロード」の歌詞にも登場するロバートの友人でギタリストでしたが、この映画のウィリーは、ロバートの友人で同じくクロスロード(十字路)で悪魔と契約し、魂を担保にブルースの極意を得たブルースマンで、伝説のハーモニカ・プレイヤーとして登場しています。

ユジーンはウイリーの元へと押しかけ、ウィリーのみが知るとされる録音されていないロバートの幻の30曲目の曲を自分の物とし世界に披露したいと話を持ちかけますが、ウィリーは最初は断るものの自分の育った町でクロスロードのあるミシシッピ州ヤズーシティに連れて行けばその歌を教えると言い、ユジーンは療養所からウィリーを脱獄させ2人はミシシッピへと向います。
しかし、あてにしたバス代もなく、途中のメンフィスからは2人でヒッチハイクによる旅をすることとなります。
この先、人との出会いや事件ありミシシッピへと辿り着くのですが、ウィリーはユジーンに打ち明けていないミシシッピへ向かう本当の目的があります。

結末まで書いてしまうとまだご覧になっていない方も多いかと思いますので、映画よりギター絡みの2場面を紹介します。
クラシックよりブルース・ギターが好きだといった冒頭の場面と最後のスティーヴ・ヴァイとのギター・バトルの場面です。
なぜギター・バトルとなっていくのかは是非とも映画をご覧いただければと思います。

Crossroads Movie clip (1)
http://www.youtube.com/watch?v=YNuWtwOkgfo (YouTube)

Crossroads Movie clip (2)
http://www.youtube.com/watch?v=-_icctfc9Kw (YouTube)

クロスロードのキャスト

  • ラルフ・マッチオRalph Macchio) / ユジーン・マートン(Eugene Martone)
    ※空手がテーマのヒット映画「ベスト・キッド(原題:The Karate Kid) Part I~III」の主人公を演じた青年です。
  • ジョー・セネカJoe Seneca) / ウイリー・ブラウン(Willie Brown)
  • ジェイミー・ガーツ(Jami Gertz) / フランセス(Frances)
  • ロバート・ジャッド(Robert Judd) / スクラッチ(Scratch)
  • スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai) / ジャック・バトラー(Jack Butler)、他

ブルースをテーマとしたロードムービーですが、ブルース・ファン以外の方にもお勧めの映画かと思います。

先に映画の話となりましたが、全編で流れるブルース・ギターを担当しているのがスライドギター*の名手としても知られる「ライ・クーダーRy Cooder)」です。
もちろん映画には登場しませんがラルフ・マッチオが弾く殆どのギターはライ・クーダーの曲に合わせての当てのようです。
エンドロールには「Guitar Coach for Ralph Macchio: ARLEN ROTH」、「Classical Guitar Coach: WILLIAM KANENGISER」とあり、ここではライ・クーダーは関わっていないようですが、ギターを弾くどのシーンを見ても結構練習したのではと思います。
私はあのように弾けないものでポジショニングなどは?ですが、如何にも本人が弾いているようです。

サウンド・トラックについてはライ・クーダーのプロデュースによるアルバムもリリースされています。
残念ながらスティーヴ・ヴァイとのバトルで流れる曲は収録されていません。
また、ジョー・セネカはハーモニカは吹いていませんが、ボーカルで1曲参加しています。

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このアルバムよりタイトル曲「クロスロード」を紹介します。
この曲はやはり「エリック・クラプトン(Eric Clapton)」のカバーが有名ですが、ライ・クーダーがアレンジするとこのようになります。
このアルバムのみの収録で紹介の映画(DVD)では使われず聴く事はできません。
またこの曲はBS フジで放送中の「所さんの世田谷ベース」のオープニング曲としても使用されていますので聴かれた方も多いかと思います。

ライ・クーダー(Ry Cooder) | クロスロード(Crossroads)
http://www.youtube.com/watch?v=28XK3V3ACzc (YouTube)

ライ・クーダーを初めて聴いたのはセカンドの「紫の峡谷(Into the Purple Valley)」でした。
ギターを始めた頃でコードすらまともに押さえることが出来なかったのにライ・クーダーのスライドギターを知り「ボトルネック」**を買った思い出があります。未だに弾けません。
スライドもですが卓越したギター・テクニックは多くのミュージシャンに影響を与えたかと思います。
また、アメリカをはじめ世界各国のルーツミュージックに対する造詣も深く、その中でもキューバの音楽に関心を深め、地元の老ミュージシャンたちとセッションが切っ掛けで交流を深めレコーディングしたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(Buena Vista Social Club)」は1997年のグラミー賞の「ベスト・トロピカル・ラテン・パフォーマンス賞」を受賞するなど日本をはじめ世界的なヒットとなりました。
老ミュージシャンと書いたようにアルバム制作時のミュージシャンの多くが他界してしまいましたが、今年の第12回東京JAZZにもメンバー初期とは異なりますが、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブが出演したことを皆さんご存知かと思います。

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ライ・クーダーの話に戻りますが、ギタリストとして関心はあったのですが、アルバムによっては私好みではなかったのかアルバムは数枚しか所有していませんでした。
いつかは聴いてみたいなと思っていたのですが、なんとこの11月に1970年のデビュー・アルバムからソロ名義としてのアルバム制作を休止してしまう1987年までの11枚をセットにしたBOX CDが発売となりました。
それも前に紹介しましたジョニ・ミッチェルシカゴと同様にお買い得なセットとしてです。

Albums 1970-87収録アルバム

  1. Ry Cooder (ライ・クーダー・ファースト) 1970年
  2. Into the Purple Valley (紫の峡谷) 1971年
  3. Boomer’s Story (流れ者の物語) 1971年
  4. Paradise And Lunch (パラダイス・アンド・ランチ) 1974年
  5. Chicken Skin Music (チキン・スキン・ミュージック) 1976年
  6. Show Time (ショー・タイム) 1977年
  7. Jazz (ジャズ) 1978年
  8. Bop Till You Drop (バップ・ドロップ・デラックス) 1979年
  9. Borderline (ボーダーライン) 1980年
  10. The Slide Area (スライド・エリア) 1982年
  11. Get Rhythm (ゲット・リズム) 1987年

私も早速購入し初めて聴くアルバムもありますが、ギタリストとしてのライ・クーダーはやはり良いです。

この曲数ですので曲の紹介は迷いますが2曲紹介します。

アルバム「Jazz」に収録の「The Dream」はご存じの方も多いかと思います。

ライ・クーダー(Ry Cooder) | 夢(The Dream)
https://www.youtube.com/watch?v=YqAEgMx_-hc  (YouTube)

アルバム「Boomer’s Story」から「Dark End Of The Street」です。
スライド・ギターが心地よいです。

ライ・クーダー(Ry Cooder) | ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート(Dark End Of The Street)
http://www.youtube.com/watch?v=R8bAZFgUV4s (YouTube)

Albums 1970-87

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長くなりましたが、ロバート・ジョンソンの幻の1曲を除く29曲はこちらで聴く事ができます。
新たに未テイクが追加されたアルバムもリリースされていますが、ご参考ください。
私が購入したCDは120ページ近くの英語、日本語の2冊のブックレットが付いていたとはいえ4,100円もしました。ブックレット無しとはいえ安くなったものです。

The Complete Recordings

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* 編集部注: スライドバーと呼ぶ棒を指に装着または持ち、ピッキングする奏法のこと。
**編集部注: 主流は金属製の棒(管)だが、演者によってガラス製やジッポーライターなどの金属を使う場合もある。元々、酒瓶などの首の部分を切って使用したことからボトルネック(瓶の首)と呼ばれている。(スライドギター(奏法) → ボトルネック奏法)

スティーヴ・ルカサー弾きまくり!「ウィルソン・ブラザース」


ギタリスト・シリーズ(4)

先日、フュージョンとAORを聴き、ギタリストもセッション・ギタリスト好きと私と音楽の好みが同じ友人とギタリストについて話す機会がありスティーヴ・ルカサーSteve Lukather)の話題となりました。

スティーヴ・ルカサーといえば当ブログでも紹介のTOTOのギタリストとして皆さんご存知かと思いますが、セッション・ギタリストとしても数多くのアルバムに参加し、特に70~80年代のAORが好きな方にはお気に入りのアルバムで彼のギター・ワークを聴かれているのではと思います。
私の所有アルバムもですが、「カッコよいギターソロだな」と感じ、アルバムのクレジットを見てみるとスティーヴ・ルカサーという曲も数多いです。

先日の友人との話になりますが、そのスティーヴ・ルカサーが参加したアルバムで1番のお気に入りは何かとなり、2人とも真っ先に口にしたのがAORの名盤とも言える「ウィルソン・ブラザース(Wilson Brothes)」の「アナザー・ナイト(Another Night)」でした。
アルバム収録曲のうち数曲参加といったアルバムは多いかもしれませんが、アルバムトータルとして参加となるとこのアルバムが1番かと思います。

ウィルソン・ブラザースを最初に聴いたのはレコードでしたが、このレコードもショップお勧めとして壁に飾っていた1枚でした。初めて聞く名前でしたが、購入の決め手はレコードに貼られたショップコメントの「スティーブ・ルカサー弾きまくり!」でした。
購入し早速レコードに針を落とすと1曲目からギター弾きまくりで、レコードですのでA面を聴き、そしてB面なのですが、1日で何回繰り返して聴いたことかでした。
1979年にこのアルバムをリリースした時にはスティーヴ・ルカサーもTOTOとして何枚かアルバムをリリースしてはいましたが、TOTOのアルバムよりもギターを弾いているのではと思ったくらいです。

ウィルソン・ブラザース「アナザー・ナイト」

ウィルソン・ブラザース「アナザー・ナイト」のジャケット裏面

ウィルソン・ブラザースは、「スティーヴ・ウィルソン(Steve Wilson)」と「ケリー・ウィルソン(Kelly Wilson)」の兄弟デュオです。

2人はローカルバンドを転々としながら活動していましたが、オリジナル曲を「秋風の恋」「シーモンの涙」などでお馴染みの「イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー(england dan & john ford coley)」に取り上げられ、それが切っ掛けとなり彼らのプロデューサー「カイル・レーニング(Kyle Lehning)」のもとプロ・デビューとなり、そしてこのアルバムのリリースとなります。

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アルバムのプロデュースはカイル・レーニングが行い、レコーディングもカイルのホームグラウンドであるナッシュビルで行われました。だから、ミュージシャンもカイル絡みのミュージシャンが中心で制作されています。
アルバムをお持ちの方はご存知かもしれませんが、アルバム・タイトルと同名の「Another Night」という曲もギターソロが良く、最初はスティーヴ・ルカサーかと思いましたが、クレジットを見ると唯一ナッシュビルで参加したギタリストと書かれており、いずれも実力のあるミュージシャンのようです。

スティーヴ・ルカサーの参加はナッシュビルではなくロス・アンゼルスのスタジオでオーバー・ダビングされ、クレジットを見るとアーニー・ワッツも同様に参加し心地よいサックスを演奏しています。

ではこのアルバムより曲を紹介します。
アルバムは全曲とも私のお気に入り曲ばかりですが、スティーヴ・ルカサーのソロを聴いていただきたいと思います。
最初の2曲「Feeling Like We’re Strangers」と「Just like a lover knows」はギターのトーン、フレーズとも、まさにステーヴ・ルカサーです。

Wilson Brothers | Feeling Like We’re Strangers Again
https://www.youtube.com/watch?v=nq7Q-CUyDTs (YouTube)

Wilson Brothers | Just like a lover knows
https://www.youtube.com/watch?v=i9YlWf7uC0Q (YouTube)

3曲目「Shadows」はこのアルバムのみならず数あるスティーヴ・ルカサーのギターソロの中でも名演といえる1曲だと思います。
シングル・コイルによるクリーンなサウンド、そしてオクターブ奏法などは私の大好きなギター・サウンドでアルバムでも1番のお勧め曲です。

Wilson Brothers | Shadows
http://www.youtube.com/watch?v=aLx-lmWN4Rc  (YouTube)

最後の曲「Take Me To Your Heaven」はウィルソン・ブラザースがオリジナルですが、ブラック・コンテンポラリー、AORとしてもお馴染みの「スティヴィー・ウッズ(Stevie Woods)」がこの曲をカバーしアルバムのタイトル*にもなっていますのでご存知の方も多いかと思います。この曲を聴いていただければ2人の曲作りのセンスの良さもおわかりかと思います。

Wilson Brothers | Take Me To Your Heaven
http://www.youtube.com/watch?v=-4A7wvhM5Yg  (YouTube)

ウィルソン・ブラザースのその後についてですが、その後といってもこのアルバムがリリースされたのは30年以上も前の事で以降の活動については情報も無く、このアルバムが唯一のアルバムとなってしまいました。

ギタリスト・シリーズとしてスティーヴ・ルカサーを紹介するにはその活動からも前書き程度かもしれませんが、このウィルソン・ブラザースのアルバムはスティーヴ・ルカサーを一言(1枚)で紹介するのには最適のアルバムではないかと思います。

*編集部注:スティヴィー・ウッズのアルバム「Take Me To Your Heaven」の邦題は「スティール・ザ・ナイト」です。

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聞き心地がよいギタリスト「ポール・ブラウン」


ギタリスト・シリーズ (3)

スムーズジャズ(smooth jazz)というジャンルは見聞きはしていたのですが、未だフュージョンとの違いがわからず、ネットや雑誌などで調べたり、さらにフュージョン好きの友人達にも聞くのですがその違いについては「今だ解らず」といった状況です。

ウィキペディアには「1980年代アメリカのラジオ局が使い始めたフュージョンのスタイルの一つで、フュージョン、ポップ・ジャズの流れから派生したスタイルであるフュージョンにR&Bのテイストを混ぜたものが多い。フュージョンに比べ、アドリブパートが少なく、またワン・コードで演奏されることが多い。」と定義されています。しかし、掲載アーティストを見てみると、「あれっ、あのアーティストもこのアーティストもフュージョンとして聴いていたのでは」という方も多く、私はフュージョンの一つと捉えています。

今回紹介するギタリストはそのスムーズジャズを代表するギタリスト「ポール・ブラウン」(Paul Brown)です。
と書いたものの私も名前しか知らず、本格的に聴き始めたのは昨年末の事でした。
たまたま見つけたギタリストのCDが切っ掛けとなりスムーズジャズと呼ばれるジャンルに魅かれました。しかし、インターネットで探していくと初めて聞く名前の方が殆どのため、早速CDを何枚か購入して聴いたみました。
ちなみに購入したアーティストは、以下の5人です。

  • ローン・ローレンス (Rohn Lawrence) (最初に聴いたギタリストです)
  • ノーマン・ブラウン (Norman Brown)
  • ポール・ブラウン (Paul Brown)
  • ロニー・スミス (Ronny Smith)
  • ドゥワイト・シルズ (Dwight Sills)

詳しい方からは「このギタリストはスムーズジャズではない」と言われるかもしれませんが、何れも私好みのギタリストです。
他にも気になるギタリストは多いのですが、私が聴いた中ではやはりポール・ブラウンが一番でした。

ポール・ブラウンの経歴については私も聴き始めて浅いため詳しくはありません。エンジニア、ミキサー、そしてプロデューサーとして、グラミー賞の「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」を受賞するなど、ギタリストというよりも制作サイドとして活躍し成功します。
プロデューサーとしては「ラリー・カールトン」「ジョージ・ベンソン」「パティ・オースチン」をはじめ多くのアーティストをプロデュースしています。また私は聴いていませんが、「松本孝弘」のアルバム「Strings Of My Soul」にもミックスとして参加しています。

ギタリストとしてのデビューは2004年と遅く、5枚のアルバムをリリースしています。
ギタリストが自らのアルバムをプロデュースしヒットとなり、のちに他のアーティストのプロデュースといったケースはよく聞きます。しかし、ポール・ブラウンはまったくの逆で、ギタリストとしてのデビューが後になりました。ただし、アルバムを聴いていただければ、彼が本当にギターが好きでギタリストとして活動したいんだなと感じます。

ポール・ブラウンの感想としては、コード・スケールの中で弾いていく人なので、生粋のジャズ・ギタリストの匂いはなく、強いて言えば、「ポップス系のスタジオ・ミュージシャンが、大好きなインストゥルメンタルを弾いてしまいました」という風に感じました。
そのため、ソロフレーズの中にもチョーキングがチョコチョコ出て来ます。それも、かなりしっかりしています。「ジャズギターにチョーキングはご法度?」などと書かれているのを目にしますが、ジャズ・ギタリストでしたら、もっと安直なチョーキングになってしまうのでは…そんな感じです。

またソロの組み立てが非常に良く、もう少し聴きたいところでテーマに戻るなどは私のようにギターをメインとして聴く者だけでなく、普通のリスナーの事をよくわかっていると思います。
先に私が聴いたギタリストを挙げましたが、やはりテクニックを聴かせようとソロを弾きまくる方もいました。
ここがポール・ブラウンの良さで、プロデューサーとしての経験からも自分の曲の構成がよく分かって弾いているのではと思います。

そしてポール・ブラウンの1番の強みは、メロディ、フレーズのセンス(日本人に好まれるのでは)の良さと全体の構成をリスナーの視線で見ることが出来ることだと思います。

スムーズジャズは演奏テクニックをひけらかすよりも、曲重視ではないかと思います。

アルバム・リスト

  • Up Front (2004年)

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Paul Brown | Moment By Moment
http://www.youtube.com/watch?v=smHsvbYd3J0  (YouTybe)

  • The City (2005年)

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Paul Brown | Hello Again
http://www.youtube.com/watch?v=lFDBeA3gIP8  (YouTube)

  • White Sand (2007年)

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  • Love You Found Me (2010年)

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  • The Funky Joint (2012年)

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Paul Brown | The Funky Joint
http://www.youtube.com/watch?v=BzuZFc-1VS4  (YouTube)

Paul Brown | Mountreux
http://www.youtube.com/watch?v=0l7OKlLW1dE  (YouTube)

まだまだスムーズジャズは聴き始めたばかりの私ですが、まだ聴いていないギタリストも多く、入り込んでしまいそうです。

エモーショナルなギタリスト「ダン・ハフ」(3)


ギタリスト・シリーズ(2)

セッション・ギタリストとしてはトップの座にいた「ダン・ハフ(Dann Huff)」ですが、その座を捨てまでもやりたかったバンド、それが「ジャイアント(Giant)」です。

ジャイアントのデビュー

ジャイアントのメンバーは、次の4人です。

  • ダン・ハフ(Dann Huff):  ギター、ボーカル、キーボード
  • ディビッド・ハフ(David Huff):  ドラムス
  • マイク・ブリグナーデロ(Mike Brignardello):  ベース
  • アラン・パスクア(Alan Pasqua):  キーボード

この4人のうち、兄のディビッド・ハフはホワイトハートでも一緒に活動し、マイク・ブリグナーデロもナッシュビルでダン・ハフらとバンド活動をするなど旧知の仲でした。ダン・ハフがロスアンジェルスに移った後、2人もロサンゼルスへと移ります。
アラン・パスクアはニュージャージー出身ですが、活動はロサンゼルスでした。

ダン・ハフのセッション・ギタリストでの活躍ぶりは前回(2)で紹介しましたが、他の3人もロサンゼルスではセッションマンとしての活動も長く、多くのアーティストのアルバム制作に参加するほどの実力の持ち主です。
このように超売れっ子ミュージシャンによるバンド結成はロサンゼルスで話題となり、直ぐに名乗り出たA&Mレコードとの契約も早く、1989年、アルバム「Last Of The Ranaways」でジャイアントがデビューとなります。

私も雑誌などでダン・ハフの活動としてジャイアントのデビューを知り、CDのリリースと同時に購入しました。そして、アルバム1曲目の「I’m A Believer」の、ギターとボーカルに圧倒され、「ダン・ハフがやりたかった音楽がこれだったのか」と聞き入ってしまいました。
この「I’m A Believer」は全米56位、「I’ll See You In My Dreams」が全米20位とヒットし、アルバムも89年秋から90年までチャート・インとなります。

Giant | I’m Believer
http://www.youtube.com/watch?v=Gs5c-Sbxmq4  (YouTube)

Last of the Runaways

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「エピック・レコード(Epic Records)」に移籍し、1992年にセカンド・アルバム「Time To Burn」をリリースします。

Giant | Time To Burn
http://www.youtube.com/watch?v=Jsov7p469Xk  (YouTube)

Time to Burn

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ただ、セカンド・アルバムはアメリカでは予想外に売れなかったようで、リリース直後にはキーボードのアラン・パスクアも脱退してしまいます。そして、バンドは活動停止となってしまいます。

私はセカンド・アルバムも良いと思い、当時は良く聴いていました。
セッション・マンが集まったバンドとしては「TOTO」が有名で大成功となりますが、アメリカではジャイアントのようなサウンドは難しかったのかもしれません。

DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE

DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE

ただし日本では教則ビデオのブームとダン・ハフの人気が重なったのかもしれませんが、この2曲を題材にしたギタリスト向けの教則ビデオ、「DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE」の発売や、日本でのみシングル・カットされた曲とライブ音源を組み合わせたミニアルバムがリリースされるなど、日本人には好まれるサウンドなのかと思います。

この教則ビデオは私も購入しましたが、ジャイアントのメンバーが登場し、ダン・ハフのギターがメインではありますが、バンドとしての演奏を見ることができます。

JAMES TYLER

JAMES TYLER

また。このビデオで「ジェームス・タイラー(JAMES TYLER)」というギターを知ります。
たまたま楽器店に行くとこのブランドの「DANN HUFF MODEL」が飾ってあり、衝動買いをしてしまいました。

「DANN HUFF MODEL」でも、のちにリリースされる黒いボデーとは異なり、シリアルも「#300番台」と、かなり初期のモデルのようでです。
周りの人たちからは「宝の何とか…」などと言われていますが、未だに使いこなせていません。
余談となってしまいました。

再び、ナッシュビルへ

活動停止となってしまったジャイアントですが、残った3人はナッシュビルへと戻り、再びセッション・マンとして活動を開始します。

また、ダン・ハフはセッション・ギターリスト以外にもプロデューサーとしてロック・バンド「メガデス(MEGADETH)」や「ボン・ジョヴィ(BON JOVI)」、カントリー・シンガーの「フェイス・ヒル(FAITH HILL)」、シンガーソングライターの「ジュエル(JEWEL)」など、幅広いジャンルのアーティストをプロデュースしています。
カントリーの分野では、2001年と2004年にカントリーミュージック協会賞、2006年と2009年にはアカデミー・オブ・カントリーミュージック賞なども獲得するなど、今ではアメリカを代表するプロデリューサーとして手腕を発揮しています。

このように3人はセッションマンとして、ダン・ハフはプロデューサーとしても活動が長く続き、バンド「ジャイアント」としての活動は無いだろうと思っていたのです。しかし、ディビッド・ハフの呼び掛けにより3人によるジャイアントが復活し、2001年に9年振りとなる「GIANT III」をリリースします。
ただし、このアルバムはアメリカ盤としては発売されていないようで、アメリカでは日本盤などを輸入盤として販売されているようです。
日本盤にはスタジオ録音曲の他に、ライブ音源がボーナス・トラックとして4曲収録されています。
この音源ものちにライブ盤としてCDが発売されますが、ジェフ・ベックの「Cause We’ve Ended As Lovers(邦題:哀しみの恋人達)」を演奏しています。

Giant | Cause We’ve Ended As Lovers
http://www.youtube.com/watch?v=mX0ajjhr_Uc (YouTube)

III

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この後も、2010年に「Promise Land」をリリースしますが、ダン・ハフは数曲ギターでのみ参加でした。あのボーカルを聞く事も出来ず、ダン・ハフにとってジャイアントは、サード・アルバムにはメインとして参加しましたが、セカンド・アルバムで終わってしまっていたのかもしれません。

3回にわたってダン・ハフを紹介しましたが、今やアメリカを代表するプロデューサーとしての活躍もですが、やはりギタリストとしてのダン・ハフを聴きたいと思うのは私だけではないのではと思います。

エモーショナルなギタリスト「ダン・ハフ」(1)


ギタリスト・シリーズ(2)

今回紹介するギタリストは、セッション・ギタリスト、プロデューサーとして、また自身のバンド「ジャイアント(Giant)」の結成など、多岐にわたって活躍するアメリカを代表するギタリスト、「ダン・ハフ(Dann Huff)」です。
ダン・ハフはジャンルを問わず幅広く活躍しているギタリストですが、音作りやフレージングなどのセンスの良さには定評があり、ファンの方も多いのではと思います。

ナッシュビルでのホワイトハーツ時代

ダンハフは1960年、米国テネシー州ナッシュビル生まれです。
両親が音楽家(父親はナッシュビルで有名なストリング・アレンジャー)という家庭環境もあり、8歳から独学でギターを始め、既に16才には地元でセッション・ギタリストとしての活動を開始します。
ダン・ハフがクリスチャンという事も関係しているのかもしれませんが、現代的キリスト教音楽の「コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(Contemporary Christian Music) (以降:CCM)」系のアーティストを中心に活動していました。CCMの説明はこちら
また、ダン・ハフ自身も当時のセッション・ミュージシャンとしての証とも言える初のソロ・アルバム「Solo」を、1980年にCCM系の「Home Sweet Home」という「クリス・クリスチャン(Chris Christian)」のレーベルよりリリースしています。

Solos

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クリス・クリスチャンはCCMを代表するシンガーソングライター、プロデューサーで、このアルバムもプロデュースしています。
アルバムは、タイトルの通り、ダン・ハフのギター・ワーク(ソロなど)を集めたアルバムです。
短いソロは1分弱ですがダン・ハフらしいフレーズが20曲収録され、ギターを弾く方にとっては教則音源としても楽しめます。
2000年にCDで復刻され日本でもリリースされましたが、既に廃盤となり、新品の入手は難しいようです。

セッション・ギタリストとしての活動は続きますが、1980年の初め、ナッシュビルのセッション・マンによって結成されたCCM系ロック・バンド「ホワイトハート(Whiteheart)」にダン・ハフもギター、ヴォーカルで参加します。
また、ダン・ハフの兄、「ディビッド・ハフ(David Huff)」もドラマーとして参加しています。

ホワイトハートはCCMの世界では賛否両論があったようですが、そのサウンドからもCCMの「TOTO」とも言われヒットし、CCM系以外にもAORやロックファンの間でも話題となりました。
ホワイトハートは1997年まで活動しますが、ダン・ハフはファースト・アルバム「White Heart」、セカンド・アルバム「Vital Signs」の2枚(在籍時のライブCDを含めると3枚)で脱退してしまいます。

ファースト・アルバムは日本でもCDでリリースされ聴かれた方も多いかと思いますが、やはり廃盤となっています。
セカンド・アルバムは輸入盤になりますが再発されています。
iTunesをご利用の方は、2枚ともダウンロード購入ができます。

 

White Heart

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Vital Signs

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やはり聴きたく海外のサイトを探したところ、この2枚を1枚のCDにまとめたCDを見つけ購入しました。

Whiteheart | White Heart & Vital Signs

CDの容量の関係から数曲未収録の曲がありますが、このCDはお勧めです。
では、ファースト・アルバム「Whaite Heart」より「You’re The One」と「Black is White」、セカンド・アルバム「Vital Signs」より「Carried Away (Safe on the Wings of the Lord)」の3曲を紹介します。
曲の良さもですが、何といってもギター・ソロがさすがダン・ハフだと思います。

Whiteheart | You’re The One
http://www.youtube.com/watch?v=nwf5rCKHH9c  (YouTube)

Whiteheart | Black is White
http://www.youtube.com/watch?v=gfDHS2ijV6A  (YouTube)

Whiteheart | Carried Away (Safe on the Wings of the Lord)
http://www.youtube.com/watch?v=o-dpXZoo-ho  (YouTube)

ダン・ハフはホワイトハートを1984年に脱退しますが、ファースト・アルバムがリリースされた1982年の暮れには活動拠点をロサンゼルスに移します。
何かで読んだのですが、ホワイトハートでのポジションや他のメンバーとの関係は決して良いとは言えなかったようで、ロサンゼルスに移ってから脱退までのホワイトハートでの活動は情報も無く詳細はわかりません。
ナッシュビルというカントリー・ミュージックが盛んな音楽環境からも、次に紹介します「ジャイアント」のようなロック・ミュージックをやりたいダン・ハフにとって、ロサンゼルスは、やりたい事の出来る場所として魅力だったのかと思います。

エモーショナルなギタリスト「ダン・ハフ」(2)へ続く

手練(しゅれん)なギタリスト「松下誠」


ギタリスト・シリーズ(1)

私が趣味でギターを弾くからだと思いますが、ギタリストのソロ・アルバムは別としても、バンド(グループ)の曲を聴く時はどのパートよりもギターが真っ先に耳に入ってしまいます。
ボーカリストの曲ですら、歌声よりのギター・ソロ、ソロが無くても微かに聴こえるバックのギターの音色が真っ先に耳に入り、どうしてもギター寄りの聴きかたとなる事が多いです。

私のブログでの曲紹介にも、「間奏のギターが良い」「間奏のギターは誰々」が多く、曲の良さはもちろんですが、ギターが曲を引き立てている、そんな曲にどうしても魅かれてしまうようです。

楽器を演奏する方であれば、同じ聴きかたをされている方も多いのではと思います。

私は色々なジャンルのギタリストを聴きますが、以前に紹介した「ジェイ・グレイドン」を筆頭に、国内外を問わずレコーディングやコンサートで活躍するセッション・ギタリストが好きです。

ソロ・アルバムがリリースされていればもちろんのこと、私の場合はソロ・アルバム以外にも、お気に入りのセッション・ギタリストが「プロデュースやミュージシャンとして関わっている」という情報だけでアルバムを購入してしまう事も結構あります。

今回の紹介は、昨年9月にソロ・アルバムがCDで復刻し、また、この4月には多くの方が待ち望んだ「AB’S」がCDで復刻となります、ギタリストは松下誠芳野藤丸です。

松下誠を最初に知ったのはサウンド・プロデュースとして参加した「山根麻衣」のアルバム「TA SO GA RE(たそがれ)」でした。
このアルバムは、テイチクからリリースされました。
当時テイチクは、渋谷エピキュラスで収録した公開ライブによる、所属アーティストを紹介するテレビ番組を放送していました。
そこで、山根麻衣のバックとして参加していた松下誠のギターを生で聴く事が出来、サウンド、テクニックとも凄く、一気にファンとなってしまいました。

プロフィールを知ったとき、彼が最初にギターを手にしたのは18才とは信じられませんでした。
のちに結成する「AB’S」の芳野藤丸は、ギターを手にしたのは大学のサークルが最初だったというのも驚きです。

ヤマハ・ネム音楽院(現・ヤマハ音楽院)出身という事もあり人並み以上の練習をしたのでしょうが、それを見せないのが魅力であり、私がセッション・ギタリストが好きな理由かもしれません。

松下誠のソロ・アルバムは「TA SO GA RE」のリリースから少し経った1981年に、RVCからファースト・アルバム[FIRST LIGHT」がリリースされました。
セッション・ギタリストのアルバムはフュージョン系が多いのですが、1曲を除きボーカル曲で、ジャケットのイメージを想像させる雰囲気がたまりません。日本のAORシティー・ポップを代表する1枚だと思います。
版権の問題から今回の復刻を含め3回リリースされましたが、最初にリリースされたレコードのこのジャケット写真使用されないのが残念です。

First Lightのジャケット写真

First Light(LPレコード)のジャケット写真

その後、プロデューサーと伴にレーベルを移り、MOONレコードからセカンドアルバムとサードアルバムがリリースされました。
プログレッシブ・ロックが好き」と本人も言っているように、ファーストとは雰囲気が違いプログレ色が強くなったように思います。
ギター・ソロなど、松下誠のギターを聴きたいのであれば、この2枚がお勧めかと思います。

松下誠のソロ・アルバム

  • 1981年 FIRST LIGHT (ファースト・ライト)





松下誠/ファースト・ライト<タワーレコード限定> [WQCQ-412]

  • 1982年 PRESSURES PLEASURES (ザ・プレッシャーズ・アンド・ザ・プレジャーズ)





松下誠/ザ・プレッシャーズ・アンド・ザ・プレジャーズ<タワーレコード限定> [WQCQ-413]

  • 1983年 QUIET SKIES (クワイエット・スカイズ)





松下誠/クワイエット・スカイズ<タワーレコード限定> [WQCQ-414]

また、この3枚より先に復刻された「ミルキーウェイ」のアルバム「SUMMERTIME LOVE SONG」もAORアルバムとしてお勧めです。





ミルキー・ウェイ/サマータイム・ラブ・ソング<タワーレコード限定> [NKCD-6609]

「ミルキーウェイ」はネム音楽院時代の師弟関係である「信田かずお(Key)」とのユニットで、アルバムのタイトルの通り、夏向きのAOR、ボサノヴァなどのカバー曲中心のアルバムです。
この2人のアレンジが良く、レコードでは聴いていましたが、ファンとしてCDの初復刻は嬉しい限りです。

松下誠はテレビでも「徳永英明」などのバックで見かけたりしますが、ファンとしてはソロ・アルバムの制作を期待します。

では私の大好きな「FIRST LIGHT」より「FIRST LIGHT」と「ONE HOT LOVE」の2曲と、「SUMMERTIME LOVE SONG」より「夏の日の恋(Theme From “A Summer Place”」を紹介します。

松下誠 | FIRST LIGHT
http://www.youtube.com/watch?v=4ESWmrPmJA8&index=1&list=PLmykL3sH9YVyM0N7vuov18viIn7Fga1VA  (YouTube)

松下誠 | ONE HOT LOVE
http://www.youtube.com/watch?v=e7f6-ZmgdrM&list=PLmykL3sH9YVyM0N7vuov18viIn7Fga1VA&index=4   (YouTube)

ミルキーウェイ | 夏の日の恋 (Theme From “A Summer Place”)
http://www.youtube.com/watch?v=RUbitJERo_k (YouTube)

今回は松下誠を紹介しましたが、これからも「ギタリスト・シリーズ」として、私の大好きなギタリストを紹介していきたいと思います。