「高田渡」の歌に思うこと


はっぴいえんど(大滝詠一、細野晴臣、鈴木茂、松本隆)」を一番最初に評価したのは、「高田渡」だったとの事です。(大滝詠一談)それは、1970年ごろに、「はっぴいえんど」が「ロック」に「日本語の歌詞」を載せて歌う試みを始め、日本の新しい音楽の方向を模索していたからだとの事です。

そして、そのころ「はっぴいえんど」は「高田」のライブのバックバンドをしてたり、高田が1971年にリリースし、一番売れたアルバム、「ごあいさつ」の中の曲のバック演奏も担当していました。

「ごあいさつ」からシングルカットされた「しらみの旅」は、「高田渡+はっぴえんど」のヒット曲です。「流浪の旅」を原曲に、すでに替え歌としてあった元歌は、明治・大正の演歌師「添田 唖蝉坊(そえだ あぜんぼう」の「しらみの旅」。それがあまりにも暗い曲なので、明るいマウンテンミュージックの「弾丸列車 ワダッシュキャノンボール(Wabash Cannon Ball)」のメロディに乗せて、かつ「チャックべりー(Chuck Berry)」のリズムに変えて歌ったのが、「しらみの旅」との事です。

高田渡+はっぴいえんど|しらみの旅
https://www.youtube.com/watch?v=9g6rmzpvp8Q (YouTube)

ごあいさつ

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「流浪の旅」は何故か、そのメロディをおぼろげながら覚えています。東海林太郎(昭和初期の歌手)や鶴田浩二(戦後の東映映画の主要な俳優)がカバーして歌っていました。
高田の「しらみの旅」は、フォークロックの曲調でとても乗りやすく、今聴いても全く時代の異和感は感じません。

高田渡は、日本を代表する「フォークシンガー」一人だと思います。1949年生まれで、56歳で他界しています。高田の書く曲の歌詞は、シニカルではありますが、決して冷笑的、嘲笑的ではありません。極めて真実を衝いた普遍的な詩となっています。そして、その詩をアメリカの伝統的フォークソングの曲に乗せて歌っています。高田は、「歌とは」の根本に、「歌は、床下からでてくる」という思想、「長く歌われる歌は、宣伝で無理やりヒットさせた曲では無く、ましてや国や支配している側が無理やり流行らせるものでも無く、自然と、人々の中で歌い継がれていく歌である」という哲学的思想にも似た考え方をもっていました。その事が亡くなって10年経ちますが、今でも高田の歌を聴く多くの人を魅了し続けている原点になっているのではと思います。

高田渡|自衛隊に入ろう
https://www.youtube.com/watch?v=mOwvbjEge_I (YouTube)

GROOVIN’昭和!4~自衛隊に入ろう

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マルビナ・レイノルズ(Malvina Reynolds)の「アンドーラ」という曲が原曲です。1969年4月にURCレコードより発売されました。
歌詞の内容は「自衛隊」を風刺し皮肉が込められていますが、嘘か本当か、防衛庁から、自衛隊のPRソングと使いたいとのオファーがあったとの事でした。一時、日本民間放送連盟が要注意歌謡曲に指定し放送禁止歌となりましたが、現在では放送禁止の扱いではありません。
2015年の今、「自衛隊に入ろう」を聴くと、歌詞が皮肉に聴こえなく、まさに真面目に自衛隊の入隊キャンペーン・ソングとして聴こえてしまいます。ここ40年で時代、世の中が大きく変ってしまったように思います。

高田渡|夕暮れ
https://www.youtube.com/watch?v=5R6nj3cBCfI (YouTube)

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この詩がすごくいいです。

夕暮れの町で ボクは見る
自分の場所からはみだしてしまった
多くのひとびとを
夕暮れのビヤホールで ひとり一杯の
ジョッキーをまえに 斜めに座る
その目がこの世の誰とも 交わらないところをえらぶ
そうやってたかだか 三十分か一時間

雪の降りしきる夕暮れ ひとりパチンコ屋で
流行歌の中で 遠い昔の中と
その目は厚板ガラスの向こうの 銀の月を追いかける
そうやって たかだか 三十分か一時間

たそがれがその日の夕暮れと 折り重なるほんのひととき
そうやってたかだか 三十分か一時間

夕暮れの町で ボクは見る
自分の場所からはみだしてしまった
多くのひとびとを

世の中のしがらみから逃避したくなるひととき、夕暮れ。
酒の力を借りて、やりきれなさから、ほんのわずかな時間解放されたくなる。
そして、まわりには自分のような人たちでいっぱい。

歌った後の、「どうもありがとうございました」が暖かいですね。

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