懐かしいヴォコーダーの響 「ハービー・ハンコック」


皆さんは「ヴォコーダーvocoder)」、または「ヴォコーダー・ボイス」というのをご存知でしょうか。
ヴォコーダーは人間の声を電気的に合成、加工するエフェクターや楽器(シンセサイザー)、最近ではパソコンのソフトウェアも多く、その音色の例えとして「ロボットのような歌声」でお判りかと思います。

ヴォコーダー使用による代表曲としては、日本では、古くは「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」の「テクノポリス」で聴かれる「TOKIO」というフレーズや、今だとやはり「パフューム(Perfume)」の「ポリリズム」などで聴かれるあの独特の歌声がそうです。
海外でも「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」の「レッツ・グルーヴ」のイントロや、最近では当ブログでも紹介の今年のグラミー賞、最優秀レコードを受賞した「ダフト・パンク」の「ゲット・ラッキー」でも使用されていました。

私がヴォコーダーを初めて知ったのは「コルグ(KORG)」社が1978年に発売した「VC-10」でした。
このような楽器、そして音色です。

Official Korg VC-10 Vocoder Audio Demo
http://www.youtube.com/watch?v=37jKhl7BBvM (YouTube)

場所は銀座のレコーディング・スタジオでしたが、あるアルバムの1曲で使用するために持ち込まれたものでした。
当時シンセサイザーは「ミニモーグ(minimoog)」などが主流で、持ち込まれた「VC-10」も鍵盤を備え最初は同じようなシンセサイザーだと思いました。
違いは本体上部にマイクが付いており、実際にキーボーディズトの方が演奏し音を聴いてみると、何とマイクで喋った言葉があの独特の音色となり、さらに鍵盤でメロディーとして演奏できる事にに驚きました。

ヴォコーダーを聴く機会はこの時だけでしたが、まもなくしてイエロー・マジック・オーケストラが1979年にリリースしたシングル「テクノポリス」で使用され、この曲によってヴォコーダーのサウンドが広く知られる事となります。
なお、イエロー・マジック・オーケストラが使用したヴォコーダーは「ローランド(Roland)」社のものだったと何かで読んだことがあります。

さて、ヴォコーダーについて簡単に触れましたが、今回はこのヴォコーダーを屈指した2枚のアルバムを紹介します。何れも「ハービー・ハンコックHerbie Hancock)」のアルバムです。

ハービー・ハンコックについては改めて私が書く必要もない人気ジャズ・ピアニストですが、ジャズを殆ど聴かない私は聴く機会も少なく、最初に購入したアルバムも1973年リリースの「ヘッド・ハンターズ(Head Hunters)」でした。
「ウォーターメロン・マン(Watermelon Man)」もこのアルバムのアレンジで初めて聴いたかと思います。
ただ、このアルバム1枚のみで以降もアルバムを購入する事はありませんでした。

そして年が経ち耳にしたのが「 アイ・ソート・イット・ワズ・ユー(I Thought It Was You)」という曲で、ハービー・ハンコックの「サンライト(Sunlight)」というアルバムにに収録されている事を知ります。

サンライト(Sunlight)(1978年)

  1. アイ・ソート・イット・ワズ・ユー(I Thought It Was You)
  2. カム・ランニング・トゥ・ミー(Come Running To Me)
  3. サンライト(Sunlight)
  4. ノー・ミーンズ・イエス(No Means Yes)
  5. グッド・クエスチョン(Good Question)

MAHALO_PIC_HHSBこのアイ・ソート・イット・ワズ・ユーはボーカル曲ですが、何せヴォコーダーによる歌声のため最初は誰の曲かも解らず、レコード店などを探し回り、ようやくこのアルバムだと知り購入しました。
マイルス・デイビス時代からのハーヴィー・ハンコックのファンの方からは賛否あるかもしれませんが、私は愛聴盤として結構聴きました。
また、このジャyケットの裏面にはシンセサイザーなど多くのキーボードに囲まれたハービー・ハンコックが一面に描かれていますが、これにも圧倒されました。
当時、マルチ・キーボーディストとしては、エマーソン・レイク・アンド・パーマーのキース・エマーソン、イエスのリック・ウェイクマンの印象しかなかったのですが、その上を行く者がいたのかでした。

このアルバムではヴォコーダーの名機として知られる「ゼンハイザー(Sennheiser)」社の「VSM 201」を使用とジャケット裏面に書かれています(残念ですがこの写真には置かれていません)。

アイ・ソート・イット・ワズ・ユー

この曲は当時ディスコでもよく流れていました。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)|アイ・ソート・イット・ワズ・ユー(I Thought It Was You)
http://www.youtube.com/watch?v=lYfVpgOc5wg (YouTube)

ライブではもこのようにヴォコーダーを演奏しています(同曲です)。

http://www.youtube.com/watch?v=8agdCw7L0BE (YouTube)

この曲は1978年の来日ツアー中に急遽実現したデジタル・ダイレクト・レコーディング(スタジオ一発録りのライブ)による日本企画盤「ダイレクトステップ(Directstep)」にも収録されています。

また、アルバムではこの曲以外にもカム・ランニング・トゥ・ミーやタイトル曲サンライトでもヴォコーダーによるボーカルを聴く事ができます。

このアルバムは既にCD化されましたが、今回タイミングよくソニー・ミュージックより「ジャズ・コレクション1000(JAZZ COLLECTION 1000)」の第1弾として今年2月に再発売され、やっと私もCDで聴く事が出来ました。

 

サンライト

新品価格
¥1,050から
(2014/3/25 18:53時点)

ダイレクトステップ

新品価格
¥1,050から
(2014/3/25 18:54時点)

フィーツ(Feets Don’t Fail Me Now)(1979年)

  1. ユー・ベット・ユア・ラヴ(You Bet Your Love)
  2. トラスト・ミー(Trust Me)
  3. レディ・オア・ノット(Ready Or Not)
  4. テル・エブリィバディ(Tell Everybody)
  5. ハニー・フロム・ザ・ジャー(Honey From The Jar)
  6. ニー・ディープ(Knee Deep)

2枚目は1979年にリリースされたフィーツですが、このアルバムはサンライトの次作ではありません。「ダイレクト・ステップ」は企画盤として除くとして、やはり人気ピアニスト「チック・コリア」とのデュエット・コンサートの模様を録音した「An Evening With Herbie Hancock & Chick Corea: In Concert(1978年)」、そしてピアノ・ソロによるアルバム「The Piano(1979年)」をリリースするなど、本来はこちらなのかもしれませんが、その後にリリースされました。

こちらはサンライトよりもポップと言うか、ダンサブル、ディスコテックな仕上がりになっています。
こちらもヴォコーダーが数曲で使用され、やはり私の愛聴盤としてよく聴きました。こちらのアルバムのほうが聴く機会も多かったかなと思います。

ユー・ベット・ユア・ラヴ

この曲はヴォコーダーによるメロディーもですが、コーラスが今でも耳に残っている曲で、紹介の2枚の中でも1番好きな曲です。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)|ユー・ベット・ユア・ラヴ(You Bet Your Love
http://www.youtube.com/watch?v=EQObvsw84Y4 (YouTube)

トラスト・ミー

他にも良い曲ばかりですが、今回はヴォコーダーの紹介ですので、この曲もお勧めです。

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)|トラスト・ミー(Trust Me)
http://www.youtube.com/watch?v=59OmAM8411w (YouTube)

こちらも「ジャズ・コレクション1000(JAZZ COLLECTION 1000)」にて再発売されました。

フィーツ

新品価格
¥1,050から
(2014/3/25 18:55時点)

ハービー・ハンコックは、この2枚では語れないアーティスト、ピアニストなのはわかっていますが、私は今でも大好きなアルバムです。

関連記事