セルジオ・メンデス、そしてブラジルへの憧れ「横倉裕」(1)


今回紹介するのは、アメリカでキーボーディストとして活躍するYUTAKAこと「横倉裕(よこくらゆたか)」です。
私が横倉裕を初めて聴いたのが、ファースト・アルバム「LOVE LIGHT(ラヴ・ライト)」でした。1978年リリースですから、まだレコードの時代でした。
購入の切っ掛けは、当時よく聴いていた「デイヴ・グルーシン(Dave Grusin)」プロデュースによる日本人アーティストのアルバムという情報だけで、初めて聞く名前でした。

LOVE LIGHT | YUTAKA

LOVE LIGHT | YUTAKA

早速レコードに針を落としてみると、「これ程、洗練された東洋音楽と西洋音楽の融合があったであろうか」とアルバムの帯にも書かれているように、A面の1曲目の「Breath Of Night(夜気)(作曲:喜多嶋修)」からスティーヴ・ガッド(Dr.)、エイブラハム・ラボリエル(Ba.)を中心としたリズムをバックに、尺八、琵琶と和楽器によるメロディーがこれほど心地よいものかと驚きました。

そして横倉裕といえば「琴によるフュージョン」と言われるように、2曲目より琴が登場します。琴もこのように聴くと良い楽器だなと実感しました。
ただ、このアルバムでは琴は「喜多嶋修」が全て演奏し、横倉裕はフェンダー・ローズ*をメインにキーボード、そしてボーカルとクレジットされています。

アルバムとしても良い曲ばかりですが、やはりB面1曲目のタイトル曲「Love Light」が大好きです。この曲は「パティー・オースチン(Patti Austin)」とのデュエットによるボーカル曲で、1981年にはビルボード・シングルチャート(HOT-100)で最高81位、R&Bチャートで最高位61位を獲得しています。
私は、パティー・オースチンをこのアルバムか「ボブ・ジェームス(Bob James)」の「Two」のどちらかで知ったかと思います。

横倉裕 | Breath Of Night
http://www.youtube.com/watch?v=ZFsUBFyIbV0  (YouTube)

横倉裕(feat. Patti Austin) | Love Light
http://www.youtube.com/watch?v=97L5H5TjYqg  (YouTube)

横倉裕は、1952年、東京の世田谷生まれです。
「セルジオ・メンデスの音楽が無かったら僕は多分、音楽を始めていなかったでしょう…」と語るように、セルジオ・メンデスを通してブラジル・サウンドの影響を受け、成蹊高校時に「マザース・ウォーリー」という「セルジオ・メンデス&ブラジル ’66(Sergio Mendes & Brasil ’66)」を意識したバンドを結成します。そして、1970年の第4回ヤマハ・ライトミュージック・コンテストへ出場し、部門優勝するなど注目されます。
成蹊大学在学時にはこのバンドを母体とした「NOVO(ノーヴォ)」というバンドを結成します。
ただし活動期間は1972~73年と短く、キング・レコードよりシングル盤2枚のリリースのみ(アルバム曲も制作していたがお蔵入り)で解散してしまいます。

NOVOについては、2003年にシングル曲やお蔵入りの曲をまとめたCDがリリースされた事を、後に知ります。
当時、私は買そびれましたが、2013年6月に新録音2曲を含めたCDが再発売されることになりました。
この「NOVO COMPLETE WORKS」**にはデビュー・シングルの「愛を育てる」も収録されています。
この「愛を育てる」は、作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦による旭化成のCMソングとして「トワエ・モア」が歌った曲です。旭化成がスポンサーのフジテレビ系列の人気番組「スター千一夜」で流れていました。
と言っても1971年ですから若い方は知らないかと思います。
この曲をNOVOでは横倉裕がアレンジを担当し、セルジオ・メンデス&ブラジル ’66を感じさせる曲となっています。

NOVO | 愛を育てる
http://www.youtube.com/watch?v=4oPWl6fnb08  (YouTube)

NOVO COMPLETE WORKS

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NOVO解散後、横倉裕は大学を中退し、音楽の活動拠点をアメリカへと移します。

セルジオ・メンデス、そしてブラジルへの憧れ「横倉裕」(2)へ続く

* 編集部注:フェンダー・ローズは、フェンダー社のローズ・ピアノのことです
** 編集部注:「NOVO COMPLETE WORKS」の発売予定日は、2013年6月26日です

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