エモーショナルなギタリスト「ダン・ハフ」(3)


ギタリスト・シリーズ(2)

セッション・ギタリストとしてはトップの座にいた「ダン・ハフ(Dann Huff)」ですが、その座を捨てまでもやりたかったバンド、それが「ジャイアント(Giant)」です。

ジャイアントのデビュー

ジャイアントのメンバーは、次の4人です。

  • ダン・ハフ(Dann Huff):  ギター、ボーカル、キーボード
  • ディビッド・ハフ(David Huff):  ドラムス
  • マイク・ブリグナーデロ(Mike Brignardello):  ベース
  • アラン・パスクア(Alan Pasqua):  キーボード

この4人のうち、兄のディビッド・ハフはホワイトハートでも一緒に活動し、マイク・ブリグナーデロもナッシュビルでダン・ハフらとバンド活動をするなど旧知の仲でした。ダン・ハフがロスアンジェルスに移った後、2人もロサンゼルスへと移ります。
アラン・パスクアはニュージャージー出身ですが、活動はロサンゼルスでした。

ダン・ハフのセッション・ギタリストでの活躍ぶりは前回(2)で紹介しましたが、他の3人もロサンゼルスではセッションマンとしての活動も長く、多くのアーティストのアルバム制作に参加するほどの実力の持ち主です。
このように超売れっ子ミュージシャンによるバンド結成はロサンゼルスで話題となり、直ぐに名乗り出たA&Mレコードとの契約も早く、1989年、アルバム「Last Of The Ranaways」でジャイアントがデビューとなります。

私も雑誌などでダン・ハフの活動としてジャイアントのデビューを知り、CDのリリースと同時に購入しました。そして、アルバム1曲目の「I’m A Believer」の、ギターとボーカルに圧倒され、「ダン・ハフがやりたかった音楽がこれだったのか」と聞き入ってしまいました。
この「I’m A Believer」は全米56位、「I’ll See You In My Dreams」が全米20位とヒットし、アルバムも89年秋から90年までチャート・インとなります。

Giant | I’m Believer
http://www.youtube.com/watch?v=Gs5c-Sbxmq4  (YouTube)

Last of the Runaways

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「エピック・レコード(Epic Records)」に移籍し、1992年にセカンド・アルバム「Time To Burn」をリリースします。

Giant | Time To Burn
http://www.youtube.com/watch?v=Jsov7p469Xk  (YouTube)

Time to Burn

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ただ、セカンド・アルバムはアメリカでは予想外に売れなかったようで、リリース直後にはキーボードのアラン・パスクアも脱退してしまいます。そして、バンドは活動停止となってしまいます。

私はセカンド・アルバムも良いと思い、当時は良く聴いていました。
セッション・マンが集まったバンドとしては「TOTO」が有名で大成功となりますが、アメリカではジャイアントのようなサウンドは難しかったのかもしれません。

DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE

DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE

ただし日本では教則ビデオのブームとダン・ハフの人気が重なったのかもしれませんが、この2曲を題材にしたギタリスト向けの教則ビデオ、「DANN HUFF STUDIO WORK GUITAR TECHNIQUE」の発売や、日本でのみシングル・カットされた曲とライブ音源を組み合わせたミニアルバムがリリースされるなど、日本人には好まれるサウンドなのかと思います。

この教則ビデオは私も購入しましたが、ジャイアントのメンバーが登場し、ダン・ハフのギターがメインではありますが、バンドとしての演奏を見ることができます。

JAMES TYLER

JAMES TYLER

また。このビデオで「ジェームス・タイラー(JAMES TYLER)」というギターを知ります。
たまたま楽器店に行くとこのブランドの「DANN HUFF MODEL」が飾ってあり、衝動買いをしてしまいました。

「DANN HUFF MODEL」でも、のちにリリースされる黒いボデーとは異なり、シリアルも「#300番台」と、かなり初期のモデルのようでです。
周りの人たちからは「宝の何とか…」などと言われていますが、未だに使いこなせていません。
余談となってしまいました。

再び、ナッシュビルへ

活動停止となってしまったジャイアントですが、残った3人はナッシュビルへと戻り、再びセッション・マンとして活動を開始します。

また、ダン・ハフはセッション・ギターリスト以外にもプロデューサーとしてロック・バンド「メガデス(MEGADETH)」や「ボン・ジョヴィ(BON JOVI)」、カントリー・シンガーの「フェイス・ヒル(FAITH HILL)」、シンガーソングライターの「ジュエル(JEWEL)」など、幅広いジャンルのアーティストをプロデュースしています。
カントリーの分野では、2001年と2004年にカントリーミュージック協会賞、2006年と2009年にはアカデミー・オブ・カントリーミュージック賞なども獲得するなど、今ではアメリカを代表するプロデリューサーとして手腕を発揮しています。

このように3人はセッションマンとして、ダン・ハフはプロデューサーとしても活動が長く続き、バンド「ジャイアント」としての活動は無いだろうと思っていたのです。しかし、ディビッド・ハフの呼び掛けにより3人によるジャイアントが復活し、2001年に9年振りとなる「GIANT III」をリリースします。
ただし、このアルバムはアメリカ盤としては発売されていないようで、アメリカでは日本盤などを輸入盤として販売されているようです。
日本盤にはスタジオ録音曲の他に、ライブ音源がボーナス・トラックとして4曲収録されています。
この音源ものちにライブ盤としてCDが発売されますが、ジェフ・ベックの「Cause We’ve Ended As Lovers(邦題:哀しみの恋人達)」を演奏しています。

Giant | Cause We’ve Ended As Lovers
http://www.youtube.com/watch?v=mX0ajjhr_Uc (YouTube)

III

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この後も、2010年に「Promise Land」をリリースしますが、ダン・ハフは数曲ギターでのみ参加でした。あのボーカルを聞く事も出来ず、ダン・ハフにとってジャイアントは、サード・アルバムにはメインとして参加しましたが、セカンド・アルバムで終わってしまっていたのかもしれません。

3回にわたってダン・ハフを紹介しましたが、今やアメリカを代表するプロデューサーとしての活躍もですが、やはりギタリストとしてのダン・ハフを聴きたいと思うのは私だけではないのではと思います。

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2 thoughts on “エモーショナルなギタリスト「ダン・ハフ」(3)

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