先月、「鍵盤ハーモニカの同時演奏」でギネス世界記録に挑戦し、それを達成したニュースがありました(静岡新聞 )。688人の同時演奏が、公式記録員により世界記録として認定されたそうです。
そのギネス記録挑戦の際の映像があります。
【静岡】鍵盤ハーモニカでギネス世界記録に挑戦【浜松】
http://www.youtube.com/watch?v=1e1hz88KLI8 (YouTube)
鍵盤ハーモニカというより、ピアニカやメロディオンといった商品名で呼ばれる、 小学生や幼稚園児の音楽教育に使われる楽器として親しまれています。
鼓笛隊などでも使われることも多く、最近の子供達であれば必需品であり、演奏経験のある楽器だと思います。
主要なメーカーと商品名は次の通りです。
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ヤマハ、TOKAI:ピアニカ(Pianica) 東海楽器製造(TOKAI)製のピアニカを1967年にOEMで発売。現在は両社共にピアニカの名称で販売。 |
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SUZUKI:メロディオン(Melodion) ホーナー社のメロディカ(押しボタン式)を参考に1961年に開発。1963年に世界初の鍵盤式を発売。 |
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ZEN-ON:ピアニー(Piany) | ||
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HOHNER:メロディカ(Melodica) ホーナー社は1857年創業のドイツの楽器メーカー。ホーナー社製メロディカは今では鍵盤式の製品を発売。 |
浜松の小学生たちが使っていたのはメロディオンの可能性が高いと思います。演奏する後の方に見える「SUZUKI」の看板が物語っています。
只、参加712人の小学生の内、24人がギネス認定員によって失格とされているのは残念でした。記録に必要な5分間の間に中止したりしたのでしょう。
それまでの記録がトルコの小学生ということは、世界中でこの楽器が身近な音楽の初等教育用として普及している事が伺い知れます。
そんな半ば強制的に購入させられる鍵盤ハーモニカですが、3年生になるとリコーダーを購入するのが一般的のようです。それは文科省の指導要領に起因していると思います。
イ) 第1学年及び第2学年で取り上げる身近な楽器は,様々な打楽器,オルガン,ハーモニカなどの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
ウ) 第3学年及び第4学年で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,リコーダーや鍵(けん)盤楽器などの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
出典:文部科学省「新学習指導要領・生きる力」
指導要領では鍵盤ハーモニカを推奨している訳ではありませんが、その比較的簡単で扱い易いことによって、従来のハーモニカに代わって教育楽器として普及したものと思われます。
只、この半ば強制的に購入させられる鍵盤ハーモニカも次のリコーダーの購入と共に出番が減り、いつの間にか子供部屋の押入れの隅が定位置になるようです。
誰もが入手する鍵盤ハーモニカは、子供用の楽器のように思われがちですが、その表現力は決してあなどれるものではありません。
Yuki Monolog Kanesaka にとっては重要な演奏楽器の一つです。
以前の記事(シタールとノルウェイの森)でも紹介したアルバム「monolog | Re:Live – JAZZ meets HIP HOP CLASSICS-」にも、鍵盤ハーモニカは度々登場しています。クレジットでは「Melodica」となっていますが、実際はヤマハの「ピアニカ」のようです。
そして、彼のそのケースには「1ねん2くみ、かねさかゆきひろ」と書かれています。
そんな彼のピアニカが主役のリミックス楽曲があります。
スタジオジブリのアニメ映画「千と千尋の神隠し」の挿入曲「あの夏へ(作曲:久石譲)」です。
ジブリ作品に登場しそうな田舎の風景と共に味わってみて下さい。
あの夏へ~千と千尋の神隠し~
http://www.youtube.com/watch?v=H5szByteYk0 (YouTube)
この「あの夏へ」を含め、ジブリの名曲をラウンジ風に仕上げたコンピレーション・アルバム「Namy(高波由多加)|Namy presents ジブリ Lounge」があります。
ジブリ好きにはお薦めの一枚だと思います。
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ところで、3年生で購入する方のリコーダー(英:recorder)ですが、鼓笛隊で花形の指揮、太鼓、グロッケンシュピール(Glockenspiel)などに選ばれなかった、その他大勢が吹きながら行進するイメージが強く残っています。そして、曲も「キラキラ星」が思い浮かびます。
元々は小鳥などの声を模して演奏する「記録するもの=recorder」が語源のようですが、決して易しい楽器ではないと思います。しかも、小学校の時は「ジャーマン式運指」であるのに対し、中学校の音楽科では「バロック式運指」が使われているそうです。
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小学校における楽器選択も「指導要領」自体が曖昧な表現でもあるので、もっと自由な選択や指導があっても良いのではと感じました。
そして折角購入した楽器には永く親しんで貰いたいものです。
バロック時代のリコーダーは当時の花形楽器でした。こんなライブ映像があります。
Vivaldi|Recorder concerto
http://www.youtube.com/watch?v=DXs2q9_PMfA (YouTube)
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こちらのジャケット写真は、リンク先のAmazon.co.jpで、ご覧いただけます。 |
浜松の小学生が5分間演奏していた「キラキラ星」ですが、このメロディで日本やアメリカでよく歌われる曲に「ABCの歌」があります。これを日本へ紹介したのはジョン万次郎(JAZZと不易流行で紹介)が江戸時代に著した英会話本だと云われています。
さて、ゴールデンウィークに、当ブログで推薦している「Monolog “JAM” Japan Tour」 (facebook)が福岡、名古屋、東京で行われます。
- 5/3(FRI) 福岡 brick
- 5/5(SUN) 名古屋 Live Lounge Vio
- 5/6(MON) 東京 Shibuya PLUG
Jamセッションのメンバーを募集しています。
老若男女、どんな楽器でも構わないようです。
この際、押入れの隅のあなたの楽器を復活させてみては如何でしょうか?
そんな monolog の一人Jamセッションの映像があります。
身の回りの備品が楽器に変身します。昨年の1月にお台場近くのBarで行われたプロジェクトの公式映像です。
the Bar x Yuki Kanesaka
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