JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(2)


JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(1)の続き

今年「31. Best Improvised Jazz Solo」を受賞したゲイリー・バートン(Gary Burton)とチック・コリア(Chick Corea)ですが、彼らはグラミー賞(Grammy Awards)の常連です。

ゲイリー・バートンのグラミー賞受賞は1972年の初受賞から今回で7回目となり、内6回はチック・コリアと共同もしくは共に参加したプロジェクトで受賞しています。何れもジャズ分野ですが、15回ノミネートされ7回受賞となります。
チック・コリアの方は1976年の初受賞「Return to ForeverNo Mystery」以降、今年のような複数カテゴリーを合わせて20回目の受賞です。因みにノミネート回数は59回に上ります。

No Mystery

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ヴィブラフォンやマリンバにおける4本マレット奏法をバートン・グリップと云う形で確立したゲイリー・バートンですが、バークリー音楽大学に残した功績も大きかったと思います。
1961年から62年にかけてバークリー(当時、音楽院)で学んだ後、ジャズミュージシャンとして活躍しますが、最初のグラミー賞受賞の頃はバークリーで教鞭を執り始めています。
1971年28歳の時から2004年に退くまで、30有余年に渡りバークリーの音楽教育を担いました。1996年から副学長の要職も務め、引退は学長であるリー・バーク(Lee Eliot Berk、1943年 – )と同時でした。尚、リー・バークは創立者の息子で、バークリー(Berklee) の校名の由来となった人物です。
その間、数多くの有望な新人を世に紹介しています。
日本人では現在もバークリーで教授を務めるトランペットのタイガー大越(Toru “Tiger” Okoshi、本名:大越徹、1950年 -、芦屋市出身)やピアノの小曽根真(Makoto Ozone、1961年 -、神戸市出身)がいます。

さて2番目のウィナーはスペイン語で「希望(Esperanza)」を意味する名を持ち、ベーシストで歌手のエスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding、1984年 -、オレゴン州出身)です。
最新アルバム「Esperanza SpaldingRadio Music Society」で受賞しています。

32. BEST JAZZ VOCAL ALBUM
WINNER:Radio Music Society
Esperanza Spalding
Label: Heads Up International

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Esperanza SpaldingRadio Song Official

彼女もまた、このアルバム収録曲「City Of Roses」の編曲で、「61.Instrumental Arrangement Accompanying Vocalist(s)」カテゴリーにおいて、Thara Memory と共同受賞もしています。
ジャンルの垣根を超えて才能を発揮する彼女を確かめて下さい。

Esperanza SpaldingCity Of Roses
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=F64gB9uxoiA (YouTube)

TokyoJazz20010

東京JAZZ2010の様子

その彼女ですが、昨年の「東京JAZZ2012」にこの「Radio Music Society」のメンバーを引き連れて出演しました。殆どのメンバーがバークリー時代の仲間や後輩とのことです。
この時が2回目の出演ですが、1回目は「東京JAZZ2010」においてドラムのテリ・リン・キャリントンTerri Lyne Carrington、1965年 -、マサチューセッツ州出身)率いる「The Mosaic Project」のメンバーとしてです。
その公演の映像があります。

Terri Lyne Carrington’s “Mosaic Project” – Live in Tokyo

この時はゲストとして、エスペランサより少し前の2001年にバークリーを卒業している山中千尋(やまなかちひろ、群馬県出身)がピアノで参加しています。

「世代を越え、文化を越え、ジャンルを越えたスペシャル・プロジェクト!」のアルバム「Terri Lyne CarringtonThe Mosaic Project」は2011年にリリースされています。才能ある女性ミュージシャン達が参加しています。
純粋なジャズ好きより、クロスオーバーを好む方にお薦めです。

The Mosaic Project

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【The Mosaic Project参加アーティスト】(太字は「東京JAZZ2010」出演メンバー、数字が主な参加トラック)

  • Esperanza Spalding (bass, vocal)/7,9
  • Geri Allen(keys)/1,3,6,7,10,11,13
  • Patrice Rushen (keys)/1,2,5,11 ※monolog/Re:LiveのPVでコメントしています。
  • Sheila E (percussion)/1,5,6,10
  • Inglid Jensen (trumpet)
  • Helen Sung (keys)/2,4,5,8,9,11,12
  • Tineka Postma (sax)
  • Me’Shell Ndegeocello (bass)
  • Dianne Reeves (vocal)/5
  • Dee Dee Bridgewater (vocal)/10
  • Nona Hendryx (vocal)/1,14
  • Cassandra Wilson(vocal)/6
  • Patricia Romania(vocal)

エスペランサの来日公演が来る3月19日開催されます。
【エスペランサ・スポルディング ラジオ・ミュージック・ソサイエティ】
公演日:2013年3月19日(火) 19:00開演(18:30開場)
場所:Bunkamuraオーチャードホール

JAZZと不易流行~第55回グラミー賞より~(3)へ続く

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